「オリーヴの下に平和はない」のストーリー

中部イタリアの丘陵地帯チョチャリア。大戦が終って青年フランチェスコ(ラフ・ヴァローネ)はここに復員して来たが、応召前彼の所有だった羊の群は村のボス、ボンフィリオ(フォルコ・ルリ)にすべて奪われていた。村人達はボンフィリオの威勢をおそれてフランチェスコのために有利な証言も出来ず、しかも彼の昔の恋人ルチア(ルチア・ボゼー)もまた無理にボンフィリオの婚約者にさせられてる有様である。その婚約披露の晩、フランチェスコは一家をあげて羊を奪い返そうとボンフィリオの牧場を襲った。しかし逃げおくれた妹のマリア(マリア・グラツィア・フランチャ)はボンフィリオに犯され女心のはかなさからこの男を忘れられなくなってしまった。翌朝フランチェスコは逮捕され、公判が開かれるとルチアさえ彼に不利な証言をした。両親から口止めされたためだった。フランチェスコは有罪を宣告された。ボンフィリオはこの地一帯の牧場を次々と手に入れ、更にルチアとの結婚を強行しようとしたが、これはマリアの出現で不成功に終った。ルチアは脱獄して山にかくれたフランチェスコの許へ走った。復讐の機を狙うフランチェスコに警察の手は伸びた。が、彼はルチアと共に包囲を破り、ボンフィリオの家に迫って行った。ボンフィリオはマリアの手を執って逃れ、牧人達に助けを求めたが、彼に対する反感をつのらせていた村人達は扉を閉してレジスタンスを試みた。逃げまどう彼は逆上のあまりマリアをしめ殺し、やがて追い迫ったフランチェスコに押しつめられて、弾丸をうちつくして崖上から転落し果てた。復讐を終えたフランチェスコは、村人の讃歎の眼に送られつつ縛についた。