「ダイヤモンド・スカル」のストーリー

財界の若きリーダー、ヒューゴ・バックトン(ガブリエル・バーン)は、先祖代々の貴族の家に住み、美しい妻と息子に恵まれ幸せな日々を送っていた。ある晩昔の軍隊仲間と夕食を共にしたヒューゴは、仲間のジェイミー(ダグラス・ホッジ)の車を運転し、帰路につく途中、一人の女性をはね死に至らしめる。ボスのピーター(ストルーアン・ロジャー)は呆然とするヒューゴと、警察に通報しようとするジェイミーを車に押し込め、現場を立ち去り、この事件は黙約のうちに全員の胸にしまわれた秘密となった。そのころヒューゴは、妻ジニー(アマンダ・ドノホー)と、彼女の仕事上のパートナー、ラウル(マシュー・マーシュ)との関係に猿疑心を抱き、やがてその疑念は誇大妄想となって、しばしばジニーを怯えさせる。一方ロンドン警察はひき逃げ事件の捜査を開始していた。ジェイミーは、あれは事故ではなくジニーと錯覚してのヒューゴの殺害ではなかったかと疑惑を抱き始め、やがて恋人でヒューゴの妹でもあるレべッカ(セイディ・フロスト)にそれを打ち明けるや、瞬く間にその噂はロンドンの上流階級に広がり、警察の注意を引くことになる。ところがヒューゴを守ろうとする家族や仲間の結束は固く、逆に嫌疑はジェイミーに向けられるようになる。盛大なレべッカの誕生パーティの夜、館に警察が尋問にやってくる。一方のジェイミーも姿を現した。ピーターはヒューゴを助け警察の嫌疑を逃れさせ、その足でジェイミーを真犯人にすべく画策する。翌朝ジェイミーの車の置かれた人気のない切り立った崖の下に横たわるジェイミーの死体があった。