「親爺は若い」のストーリー

レミュエル・モアハウスという老人は2人の息子ビリーとトムに常日頃から事業と結婚の2つのことは大切だから慎重に考えねばいかんと喧しく言いきかせていたが、そのくせ自分自身は胃弱のため始終引っ込み思案ばかりしていた。ところがある晩フリュレットという踊り子にあってから彼は生まれ変わったようにはつらつたる人間になった。その踊り子はビルが催した宴会へ呼ばれた邸へ来たのだったが部屋を間違えてレミュエルの寝室ひ入り込んで彼と知り合ったのっである。レムは彼女の進めるままにいつもの薬用の酒をしこたまあおりすいっかりハメを外してしまった。それ以来というこのレムは本職の株式の取り引きなどはそっちのけで、もっぱらフリューレットを連れてはナイト・クラブや競馬などへ出歩くようになった。あまりの急激な変化に心配した息子達は探偵をたのんだりして父親の行動を監視する。レムはフリューレットとコロラドへ行くので息子2人も許嫁者を連れ、支配人マーレイを従えて後を追う。フリューレットの話によるとコロラドには彼女所有の土地があるとのことであった。その土地がスタンホープ大佐によってだまし取られんとしているとのことに義侠心を起こしたレムは彼女のために一肌ぬぐことを引き受ける。スタンホープ大佐というのは以前にも無価値な彫刻をレム一家に売りつけたことのあるいんちきな男なのでレムの手厳しい詰問にあうやたちまち恐れ入って謝罪のしるしに4万ドル差し出した。これで彫刻と並びに土地騙取の問題はなんなく型がついたが、引き続いてまた別の悶着が起こりかける。というのはフリューレットの夫が姿を現したからで、レムもかねてからの彼女の動作から察しててっきりこれはゆすりだと考え、早くもかくごの腹を固めた。が、結局、かれらはそんな悪人ではなくレムの力添えを感謝していることがわかった。かくてすべての悪運一掃し息子たちも新しい花嫁を迎えたので安心したレムは意気揚々と1人花のパリへ出かけていくのであった。