「背徳の仮面」のストーリー

ロンドン、ウエスト・ハーウッド病院で運搬人として働くマシュー・ハリス(ポール・マクガン)は、病院で働くうち、聞きかじりで次第に医学の専門知識を身につけ始めていた。そんな折、その病院の若い医師が交通事故死。マシューは緊急看護を装って、その医師のIDカードを盗み出してしまう。実はその医師は名門のロイヤル・クリフトン病院から招聘試験の通知を受けていた。その通知状を盗み出したマシューは、その若い医師=サイモン・ヘネシーとして試験を受け、合格してしまう。しかし、救急医として働く彼は、簡単な診断から注射をうつことまで全て覚束ない。しかし医学を修めても実地経験のない医師には、それはよくあることだった。そして謙虚だがどこか変わった所のあるマシューに、看護婦のクリスティーン(アマンダ・ドノホー)は惹かれ始め、彼に実務指導を行うかたわら、遂にベッドをともにしてしまう。徐々に自信をつけ始めたマシューだったが、ある日、遂に事故が起る。マシューは自分に目をかける院長夫人(バーバラ・リー・ハント)の手当てをするうち、注射のミスで彼女を殺してしまったのだ。マシューは直ちに医療機器の不備を偽装、その場に痴話喧嘩でクリスティーンがいなかったこともあり、裁判では過失なしとして責任を問われないこととなった。しかもクリスティーンを法廷でかばったことは美談として伝えられ、かえって信用を篤くしていく。そしてその陰でクリスティーンは病院を追われるように、去っていった。だがその直後、彼女はふとしたことからマシューがサイモンになりすましているという真相を掴み、彼を問い詰めようと再び彼の許を訪れる。しかしもう彼女は、彼を断念できないと自覚、進んで彼の共犯者になろうと決意した。そしてマシューに次の試練が来る。マシューの秘密を知るアレック(ジミー・ユイル)に再び出くわしたのだ。マシューはアレック殺害を決意、言葉巧みに彼を郊外に連れ出し、崖から彼を突き落とし転落事故を装った。だが彼は重傷ながら一命をとりとめ、こともあろうに、救急患者としてロイヤル・クリフトン病院に運ばれてくる。彼は何とか輸血用血液に毒物を混ぜ、その結果、アレックは手術中に急死する。そのアレックを、マシューの実の妹になりすましたクリスティーンがマシューと証言、遂にマシューはサイモンとしてしかこの世に存在しなくなる。そしてマシューの別の病院への転職が決定。晴れて新生活を営む期待に胸を膨らませるクリスティーンは、二人の新居の筈だった家に、遂にマシューが来ないことで、彼に捨てられたと知るのだった。

今日は映画何の日?

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