「金色の雲は宿った」のストーリー

ドイツとの戦争が続いていた1944年、モスクワ郊外の孤児院の子供たちと共に、双子の兄弟のコーリャとサーシャ(アンドレイ・バシキーロフとヴォロージャ・バシキーロフ)は豊かな土地だというコーカサスに列車で向かっていた。しかし、行く先々には無人の村が広がるばかり、彼らが住むはずのコロニーのある村にも人影はなく、爆破音が響く。コーリャとサーシャの兄弟はイリヤという放浪者から盗みや酒の味を覚えさせられたり、女教師レギナ(ナターリヤ・メルツ)から優しくされたりする。子供たちは農場や缶詰工場に手伝いに行っては品物をくすねたり、悪さをしてばかりだが、たくましく生きる。しかし、山にこもって抵抗を続けるチェチェン人とロシア兵との銃撃戦は絶えず、ある日、ロシア兵とチェチェン人の衝突で、サーシャは殺され、コロニーも破壊される。放心状態のコーリャの前にチェチェン人のアルハズル(タメルラン・シャターエフ)が現われる。2人は兄弟分の約束をし、一時収容所に入れられてからも、コーリャとサーシャの兄弟を名乗って、当局の詮索にも決して身を明かさない。そこへ騒ぎで身を隠していたレジナが現われるが、彼女にもコーリャは心を開かない。コーリャとアルハズルは列車で護送される。だが途中、チェチェン人のアルハズルは兵士の手で列車から落とされるのであった。