「伴奏者」のストーリー

一九四二年の冬。ドイツ軍占領下のパリ。二〇歳のソフィ(ロマーヌ・ボーランジェは憧れのオペラ歌手イレーヌ(エレナ・ソフォーノワ)のピアノ伴奏者となった。ソフィはイレーヌの愛人ジャック(サミュエル・ラバルト)に恋心を抱く。コンサートは大成功だったが、観客の賞賛はイレーヌだけに集まり、ソフィはイレーヌを愛しながらも、同時に憎しみを覚えるようになる。イレーヌが戦時下でもコンサートが開けるのは、夫シャルル(リシャール・ボーランジェ)がヴィシー政府の高官やドイツ軍将校と交流があるためだった。そのためイレーヌは親独政府の招きでヴィシーへ旅立つ。一方、シャルルは密かに親独政府に憎悪を抱き、アルジェリアへの逃亡を企てていた。しかしイレーヌはロンドン行きを主張し、妻を愛するシャルルは危険を承知でロンドンに向かった。ソフィは夫妻と同行し、スペイン国境からピレネー山脈を越え、ポルトガルの漁港へ。密航の途中、ソフィはフランス人青年ブノワに出会い、彼の誠実な人柄に心を動かされていった。ようやくイギリス行きの船は出帆し、三人はロンドンに到着。活動を再開したイレーヌはBBCラジオに出演、大評判を得る。だが、その陰に隠れたままのソフィは、自分自身に対するいらだちを募らせていった。そんな折、ソフィはイレーヌと愛人ジャックとの逢引の現場を見てしまう。妻の不貞を疑い、苦悩するシャルルと、イレーヌとの間で板ばさみになるソフィ。やがてシャルルは自殺。戦争も終結し、イレーヌはジャックとともにアメリカへ。ソフィ一人、フランスへと帰って行くのだった。

今日は映画何の日?

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