「アヴェティック」のストーリー

ベルリンに住む亡命アルメニア人、アヴェティック(アリク・アサトゥリアン)が夢を見ている……。アルメニアで起こった大地震の悲劇や、王との対話による歴史への反応が描かれ、そして女予言者と彼の兄の対話を通して、それらがベルリンのアルメニア人に及ぼしている影響、黒澤明の「羅生門」やミケランジェロ・アントニオーニ作品のフィルムの切れ端で遊ぶ幼年時代のアヴェティック(ミカエル・ステパニアン)の回想、彼の部屋を訪れた婦人記者との対面を通して触れられるドイツの人種差別との対決、同じ亡命人のウラディーミル・ナボコフの引用など、さまざまなシークエンスで構成されている。