「科学者ベル」のストーリー

1873年、聾唖学校の教師をしていた青年アレグザンダー・グラハム・ベルは、教務の傍ら、自己の科学知識をもって新しい発明に日夜没頭していた。彼は富豪のハッバード家の家庭教師に推され、同家の娘メイベルと愛し合うようになつた。ハッバード氏はベルが研究中の電信の改良に対し、財政的援助を与えようとしたが、彼は電話の発明により以上の抱負をもっていることをメイベルに話し、彼女に力ずけられた。ベルは助手のワトスンと努力を続け、電話の発明に成功したが、社会的にその真価は認められなかった。彼は、英国皇室の招きにより、ヴィクトリア女王の前で電話の公開実験をすることになり、新婚のメイベルを伴って渡英した。実験は大成功を収め、最初の電話がバッキンガム宮殿に備えられた。しかし帰国したベルは、電話の特許権についてウェスターン・ユニオン会社と法廷で抗争しなければならなかった。ベルは出産間近の妻を証人として法廷に立たしめるに忍び得ず、訴訟の放棄を決意するが、メイベルは進んで証人台に立ちベルの勝訴となった。