「青鷲」のストーリー

オリーガン牧師はニューヨークのとある船着場付近の小教会を受け持って神に仕え、無知なボクシング好きの人々に慈父の如く敬されていた。彼の教区にはジョージ・ダルシー、ビッグ・テイム・ライアンの2人の親分が頑張っていて縄張りのことから何時も睨み合い張り合っていた。2人は縄張りのことだけでなく、警部の愛娘ローズに想を懸けて鞘当をやっていた。その間に立ってこと無からしめたのは一重にオリーガン牧師の人徳であった。彼は2人の勢力範囲を東西に分け衝突の機会を失わしめた。1917年アメリカが欧州大戦に参加するやオリーガンに従ってダルシー・ライアン共に多くの乾分を連れて海軍に志願し、ライアンは私情を棄ててダルシーの部下として国家のために働いたが、ローズのことからボクシングを起こした。しかし牧師の説論を容れて両人はことに始末を後日に譲った。そして平和克復とともに古巣に帰った両人は再び勢力争いを始めた。ダルシーの弟リンビーは兄の留守中阿片中毒者となっていた。オリーガン牧師はケリー警部と計り阿片密売者の掃蕩を志しそのためにダルシーとライアンを和解せしめて彼らの力を借りようとしたが仲の悪い両人は肯じなかった。リンビーは密売者に裏切られ潜航艇上で命を捨てた。またライアンの片腕ある警官のデイツジーも密売者に狙撃されて死んだ。これが動機でダルシーとライアンは奮起して共に密売者撃滅を誓い、遂に怪潜航艇の所在を突き止めて爆沈させ、弟と乾分の仇を報じた。しかしダルシーとライアンとの間は完全に融合はなかった。オリーガン牧師は将来に禍根を残さぬため、ある夜両人にボクシング試合を行わせて勝負を決めさせた。けれども交戦十数合にしてなお勝負はつかなかった。ライアンは年高だけに若い者に花を持たせることを考え、またオリーガン牧師にいつまでも心配させることを侮いて、男らしく勝ちをダルシーに譲った。かくてダルシーとローズの恋は成就して結婚式が挙がられた。

今日は映画何の日?

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