「華麗なる陰謀」のストーリー

ニューヨークのバロー・ナショナル銀行の為替取引所は、世界中の金の動きが秒刻みで飛びかう経済戦争の核心地だ。この銀行をメインバンクとする石油化学会社社長が、ある夜何者かに殺害され、事件は物取りによる犯行と発表された。元ハリウッドの美人女優だった妻のリー(ジェーン・フォンダ)は、夫の後を継いで社長に。その知性的で財政手腕もある有能な彼女に協力するのは若手銀行家ハブ(クリス・クリストファーソン)。彼は第一銀行の頭取マックスウェル(ヒューム・クローニン)の推薦でバロー・ナショナル銀行の為替取引所長に抜擢されたキレ者だ。産油国に近いスペインの石油化学工場を買収し、現地の安価な労働力を使って製品をアメリカに運び込もうという方針を決定したものの資金に悩む彼女に、ハブはオイルマネーを借りることを提案。2人はサル(ボブ・ガントン)という仲介屋の紹介でアラブヘ飛び、満足とはいえないものの商談をまとめた。2人の仲は急速に深まっていく。リーはある日、銀行検査官フュースター(メイカン・マッカルマン)と夫が関係があったことを知り、21214口座というオイルマネーの口座の存在を知り、陰で大物が糸を引いていることもつきとめるが、フュースターは変死する。一方、ハブもドル買いの大バクチに成功したとたん、21214口座に利潤が流れ込み、その額はすでに世界経済の心臓部的役割を果たす程ふくれ上がっていることに気づく。もしこの口座が明るみに出れば、第一銀行は国際金融法違反はもとより、いろいろの国に対する背反行為に問われるが、もう事態はぬきさしならぬ所まで来ていた。ハブの持っていたコンピュータ・データのコピイから口座の正体を知ったリーは、サルを通して、自分が借りたオイルマネーの返却条件を変更しようとアラブ側に持ちかけた。夫の死への復讐のためだ。それに対してアラブ側は、リーを殺すこと、オイルマネーの全額引き上げの2つの対処法をとってきた。危うく難をのがれるリーとハブ。彼らが見たものは、オイルマネー全額引き上げがもたらした頭取の自殺と世界経済の崩壊の姿だった。

今日は映画何の日?

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