「蜘蛛の巣」のストーリー

アメリカ中西部にある小さな精神病院キャスルーで図書室に新し い窓掛を備えることになった。この施設の長のスチュワート・マッカイヴァー博士(リチャード・ウィドマーク)は、病気の回復に役立たせるため、窓掛作りを患者にやらせようという事業重役のメッグ・フェイヴァーセン・ライハルト(ローオレン・バコール)の意見に賛成した。そして患者としてスティーヴン・W・ホルト(ジョン・カー)が選ばれた。マッカイヴァーの妻のカレンも、夫のためにその窓掛を作ろうとし、もう1人、長年この診療院の業務面の監督をしているヴィクトリア・インチも、経済的な理由から自分で窓掛を買って来ようと決心した。3人は窓掛というくもの巣を別々に織る織匠のような立場であった。しかもお互いにはそのことを知らなかった。診療院の医者のダグラス・N・デヴァナール(シャルル・ボワイエ)はカレンに窓掛にことよせいい寄ろうとし、マッカイヴァーはメッグを好きになっていった。マッカイヴァーはインチを説得して、スティーヴンに窓掛を作らせることを納得させた。デヴァナールはマッカイヴァーが診療院取締の実権を握っているのを憤り、患者が窓掛を作れというマッカイヴァーの命令を取り消した。スティーヴンはそれをきいて落胆し、診療院を逃げ出した。召集された重役会でマッカイヴァーは運営に関する自分自身の方法を論じた。デヴァナールは辞意を示した。マッカイヴァーはメッグの愛情をも解決した。立派な精神医というものはまず自分の家庭を円満にすべきなのだ。その夜、逃げたスティーヴが戻って来た。マッカイヴァーとカレン夫婦は1人の患者を家へ入れるのに無意識に努力を分かちあっていた。