「らせんの素描」のストーリー

ラブホテル街で有名な大阪・桜ノ宮周辺に突如として怪電波が響き渡る。声の出所らしいマンションから、上方DJクラブのメンバーがリスナーから寄せられた手紙をもとに、同性愛に関する相談事を話し合っている。メンバーの一人、矢野美一は、6年前にゲイ雑誌で知り合った木屋尾隆司と同棲している。ある日、矢野は隆司に「同性愛者側から見た世間を芝居にしたい」と打ち明ける。この芝居に高校教師である平野広朗、詩人の長谷忠、ゲイバーの踊り子の牙子らが参加してくる。素人の集団である彼らは、劇中劇『らせんの素描』に自分たちの生きざまを投影させながら、その公演を決行するのだった。