「男たちのかいた絵」のストーリー

鶴丸杉夫は、いつのころからか自分の中にいるもうひとりの人格に悩まされていた。何かのきっかけで現れる別の人格は、杉夫とは性格の全く違う松夫という男だった。暴力的でズル賢い松夫のおかげで、杉夫はピアノの調律士を辞めて暴力団に入ることになったり、恋人にフラレたりと散々な目に遭ってしまう。しかも、ふたりはそれぞれの人格が現れている時の記憶を共有しないのだった。気の弱い杉夫は、そんな彼の二重人格という病気を知りながらも組においてくれている渡会のために、シノギをこなしていこうと努力する。ある日、杉夫の所属する丹義会が美人演歌歌手・高いづみのショーを仕切ることになった。敵対する岩動組が妨害を仕掛けてくる中、いづみの身辺警護にあたった杉夫は、やがていづみと恋に落ちる。だが、いづみを抱くのはいつも松夫の人格の時だった。果たして、いづみは杉夫と松夫、どちらの自分を愛してくれているのだろうかと思い悩んだ杉夫は、いづみを愛することで松夫と人格をひとつにすることを試みる。ところが、ひとりの女を違う人格で奪い合うことになるかもしれないことを懸念した松夫のために、それも失敗に終わってしまった。いづみと別れた松夫は、夜の街で刺客に襲われる。弾丸を浴びて血まみれになった彼は、そこで初めて杉夫と対話するのだった。

今日は映画何の日?

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