「天井桟敷のみだらな人々」のストーリー

ニューヨークの劇場はいつもの出し物で盛り上がっていた。そろそろ山場というころ、主役のピエーロ(マシュー・サスマン)が舞台で卒倒。野心家の劇作家トゥッチオ(ジョン・タトゥーロ)は劇場主を無理やり説得し、自分の戯曲「イルミナータ」を急遽上演する。男色家の演劇評論家ベヴァラクア(クリストファー・ウォーケン)は前衛的な舞台をこきおろすが、役者のマルコ(ビル・アーウィン)に好意を示す。一方、トゥッチオは恋人で座長のレイチェル(キャサリン・ボロウィッツ)がいるにも関わらずシモーヌ(ジョージ・ケイツ)と浮気をしていた。劇場主夫妻もそれぞれに浮気。年増女優のセリメン(スーザン・サランドン)も、トゥッチオを誘惑する。一時はセリメンのもとへ出向いたトゥッチオだが、「イルミナータ」を再演しようと奮闘するレイチェルの姿に打たれ、後悔する。マルコも命からがらベヴァラクアから逃れる。シモーヌもピエーロとの新しい愛に目覚めるが、ピエーロは病気が悪化し急死してしまう。それぞれの欲望や思惑が渦巻く中、再び「イルミナータ」の幕が上がる。男女の深い愛を描いた「イルミナータ」は、好評のうちに幕を閉じるのだった。