「Slap Happy」のストーリー

親元から離れ、昼は予備校に通い、夜はコンビニでバイトしている二浪生の正男の日常は、実に冴えない。彼女のいない彼はAVを観てはひとりHに励み、隣のフィリピン人女性の部屋から聞こえる嬌声に悩まされ、店ではイヤミな客に殴られ、電車の中では痴漢と間違われ…と散々だ。正男は店の常連の女性にほのかな恋心を抱くようになる。しかし、声をかけられる筈もなく、偶然知った彼女の電話番号をプッシュしてみるのが精一杯。モヤモヤとした気持ちが募るばかりだ。しかも、せっかく仲良くなれた隣人は失踪し、予備校でクラスが一緒の女子高生もイヤミな客と一緒にいるところを目撃してしまう。やり場のない苛立ちに、正男はカッターナイフを忍ばせてイヤミな客の背後に近づくが、刺すことなど出来ない。そんな折、遂に彼は忘れ物の傘を届けようと憧れの女性の部屋の呼び鈴を押してみるが、彼女は手首を切って自殺していたのだった。やりきれない思いでどうしようもなくなる正男。彼は自動販売機に八つ当たりするしかなかった。