「アグネス」のストーリー

ある冬の夜、モントリオール郊外にあるマリー・マドレーヌ修道院の窓の一つから鋭い悲鳴が聞こえた。駆けつけたルース院長(アン・バンクロフト)は、室内の光景に思わず立ちすくんだ。ベッドには若い尼憎のアグネス(メグ・ティリー)が血まみれで倒れており、クズ箱の中には生まれたばかりの赤ん坊の絞殺死体が捨てられていたのだ。このショッキングな事件に町中が湧いた。ところがアグネスは妊娠も出産も全く憶えていなかった。裁判所は事件調査とアグネスの精神鑑定のために、女性法定精神科医マーサ・リヴィングストン(ジェーン・フォンダ)を修道院に派遣した。マーサは尼僧院に誰か男が侵入してアグネスと関係したに違いないと考え出入りの神父まで疑った。だがルース院長は無実を主張。アグネス自身も不可解なことを口走るばかりだった。マーサの調べで、アグネスはルース院長の姪であることが判明した。ルース院長は、アグネスがアル中で死んだ姉の娘で、教育も受けず性の秘密も知らずに育った、と告白。マーサはアグネスを催眠術にかけてみた。彼女は眠りながら真相を語り始めたが、肝心の子供の「父」については語らない。ルース院長はアグネスは「奇跡」を起こす力を宿してると言うが、科学者のルースは処女マリアのように懐胎したなどということは信じなかった。修道院の設計図を調べたマーサは、地下の納骨堂から裏の納屋に通じる秘密の通路を発見した。ここを通じてアグネスは男と密会したに違いない。事件をもみ消すためにルース院長が赤ん坊を殺したのでは?マーサはアグネスと最後の対決を決意し、ルース院長の許しを得てもう一度、催眠術をかけた。アグネスは告白を始めた。あの日、アグネスが納屋で休んでいる時。突然、まばゆいばかりの光に包まれた。彼女はその光の中に「神」を意識し、恍惚となる。そして妊娠した彼女は産まれ落ちた子を、自らの手で「神」の許に返したのだ--。意外なアグネスの告白に聞き入るマーサ。と、突然、アグネスの両手、両足から血が流れ出した。処刑されたキリストと同じ傷。これは奇跡なのか、マーサは信じられぬ想いで茫然とたたずむばかりだった。

今日は映画何の日?

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