「劇場版 AIR」のストーリー

夏のある日、子供相手の人形芸をしながら一人旅を続ける青年・往人は、ふと立ち寄った海辺の町で観鈴と言う女の子と出会う。それまで他人との関わりを避けてきた往人。だが、観鈴の持つ不思議な魅力に心奪われた彼は、亡くなった実母の妹・晴子とふたりで暮らす彼女の家の納屋に寝泊りしながら、夏休みの宿題を手伝うことになる。夏休みの宿題、それはその町に伝わる“翼人伝説”の調査だった。遥か昔、真白き翼を背に持って生まれた神奈姫。その異形ゆえに御殿に幽閉されていた彼女の夢は、同じように幽閉されている母と再会すること。そんな中、彼女は警護役の柳也と恋に落ちる。翼を持つ者が真の愛を得た時、死にも勝る苦しみがその身を焦がすと言う呪いがかけられていることを知りながら。ところが、その伝説はまるで観鈴と往人の関係を暗示するかのようであった。実は、観鈴は原因不明の病に侵されていたのだ。往人との愛を深めれば深めるほど、次第に弱りゆく観鈴。しかし、彼女は入院を嫌い残り少ない時間を愛する人と共に過ごす選択をする。そして夏の終わり、彼女は往人と晴子の腕に抱かれてこの世を去るのであった。