「東京フレンズ The Movie」のストーリー

憧れだけで上京した玲(大塚愛)は、バンド仲間やアルバイト仲間に囲まれて楽しくはあるが、何の目的も持てない日々を過ごしていた。玲のバンドは中心メンバーの隆司(瑛太)の脱退で活動は停滞している。隆司は彼がその後新たに立ち上げたバンドに暴力事件が起こって以降、失踪してしまった。弱小レコード会社の社長は玲のバンドをデビューさせるべく準備を進めていた。喜び勇むバンドの一同だったが、玲は乗り気でなかった。上京したばかりで途方に暮れていた玲を、このバンドに引き入れたのは隆司だった。それなのに音楽性を巡り対立し、隆司が脱退するきっかけを自分が作ってしまった事を後悔していたのだ。デビューアルバムのレコーディングが始まる。一方バイト仲間の涼子(真木よう子)は、婚約者が居ながらも結婚に踏み切る事を躊躇していたが、新しい世界に踏み込みつつある玲に刺激され結婚を決心する。結婚式に届いたかつてのバイト仲間の真希(小林麻央)からの祝電の中に、ニューヨークで隆司を見かけたと伝える手紙が入っていた。玲はアルバム作りを中断して隆司に逢いに行く。NYで順風満帆の生活を送る真希の家に身を寄せながら、ミュージシャンが集る地域を探しまわるが手掛りすら見つからない。途方に暮れる玲だが、真希の家の目の前で偶然に隆司と再会した。隆司は音楽と関係のない生活を始めていた。玲は、隆司が居たから歌い始めたのであり隆司が居ないのであれば歌う意味が無いと言い、自分も音楽を辞めてここで暮らすと言い出す。隆司は、真希から玲たちにデビューの話が持ち上がっている事を聞く。些細な事でケンカになる玲と隆司。2人は決裂し、隆司は玲に東京へ帰れと言う。本当の真希の生活は順風満帆とは程遠かった。画家として身を立てられるかに思われた彼女の絵はここでは一枚も売れていなかった。筆を折ろうとしている真希を見て、玲は自分が恵まれた境遇にありながら贅沢を言っているのかも知れないと自己嫌悪になる。隆司とのケンカが、玲に音楽を続けさせる為に隆司がわざと仕掛けたものだった事を知る。玲は、かつて与えてもらった“歌う”機会を、また隆司に与えてもらった事に気付き、音楽を続ける決心をして東京へ帰るのだった。