「劇場版 キノの旅 the Beautiful World 病気の国 For You」のストーリー

旅人キノ(声:前田愛)と、彼の相棒である言葉を話すモトラド(二輪車)エルメス(声:相ヶ瀬龍史)は、旅を続けていた。キノは冷静沈着で口数が少なく、積極的に他人に関わることは少ない。エルメスは「退屈」が口癖のちょっと皮肉屋。いいコンビの彼らはさまざまな国を訪れ、さまざまな人々に会い、さまざまな体験をする。そして必ず、3日間の滞在の後、その国を去っていく。科学技術の発展した清潔な国を訪れたはずのキノとエルメスの前には荒野が広がっていた。この国にはふたつの顔があった。一般の国民は、中心に位置する巨大なドームの中で、清潔で安定した環境の下に暮らしている。一方、その国には、選ばれたエリートたちだけが暮らすことができる“開拓地”が存在していた。そこは、ドームの外で、実際の日光や土に触れることができるため、ドームに暮らす人々の憧れの地でもあった。ドームにたどり着いたキノとエルメスは、厳重な消毒を受けて中へ通される。そしてこの国の高い科学技術ですら治せない病気にかかっている少女イナーシャ(声:川澄綾子)と出会う。