「赤い文化住宅の初子」のストーリー

広島。中学三年生の初子(東亜優)は、文化住宅で貧乏生活を送っている。母に先立たれ、父は幼い頃に蒸発。二人暮らししている兄の克人(塩谷瞬)は高校を中退して働いているが、稼いだ少ない金を風俗に使ってしまう始末。初子は勉強を教えてくれる同級生の男子、三島(佐野和真)に恋心を抱いているが、彼と約束している志望校の東高に行く学費を捻出するのは難しかった。ラーメン屋でアルバイトしつつ、「赤毛のアン」の主人公アンの幸運な境遇に嫉妬の念を燃やす毎日。まもなく、克人は勤めていた工場をクビになり、自暴自棄になる。未払いで電気も止められるが、初子は三島が自分と結婚の約束をしてくれたことを心の支えにしていた。そんなある日、初子はひょんなことから知り合った中年の女性・栄子(浅田美代子)に、精魂会という怪しげな組織に連れていかれる。そこで酔いつぶれて寝ていたのが、いつも男遊びばかりしているやる気のない担任教師の田尻(坂井真紀)。田尻は初子をピンチから助け出し、戒めの言葉をささやいた。そして中学を卒業。結局、初子はビスケット工場で働くことになり、三島は東高に進学。二人の恋仲は続いていたが、その夏、失踪していた父親(大杉漣)が浮浪者となって現れる。克人に激しく拒否された父親は、母の遺影と共に文化住宅で焼身自殺を図った。すべてを失った初子と克人は、大阪へと旅立つことに決める。そしてホームで電車を待つ初子のもとに、授業を抜け出した三島が見送りに駆けつけてくるのだった。

今日は映画何の日?

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