「勝利への旅立ち」のストーリー

1951年。インディアナ州のひなびた田舎町のハイスクールにいささかくたびれた風体の男が入ってくる。バスケの新任コーチ、ノーマン・デイル(ジーン・ハックマン)だ。NYの名門チームのコーチだった彼は試合中に暴力沙汰を起こし、12年間バスケから遠去かっていたが、旧友である校長クリータス(シェブ・ウーリー)に招かれ、新規巻き直しのつもりでやってきたのだった。しかしこの町の人は新しいものを好まず、ノーマンは厳しい目にさらされる。練習初日。やる気のないチームは一番うまいジミーが抜けてしまったあとで、腑抜け同然だった。ノーマンは体育館でひとりバスケの練習をしていたジミーの姿を見ていたので興味を示し、彼に会いに行く。そこでノーマンは、彼に着任以来妙にからんでくる魅力的な女教師マイラ(バーバラ・ハーシー)と会う。彼女はジミーの家のそばに住んでいて、ノーマンにその日も噛みついてきた。最初の試合。ヒッコリー・ハイスクールのバスケ部には多くの町民の熱い視線がそそがれていた。ノーマンはそんな中、主力をはずしたり、4人で試合をさせたりかなり強引なコーチぶりをして見せ、試合は完敗に終った。だが、町のつまみもののシューター(デニス・ホッパー)とマイラだけは彼のガッツに一瞬感じ入る表情を見せた。かつてのヒッコリー・ハイの花形選手で今は飲んだくれのシューターがある日、ノーマンを訪ねてきた。ノーマンは彼の話をきくうちに彼に自分の補佐役をたのんだ。久し振りに目を輝かせるシューター。こんな人選や負け試合が続いたことで町民からコーチ不信任案が出されるが、そんな彼の窮状を救ったのはマイラとジミーだった。ジミーは町民の前で復帰宣言し、その条件として不信任案を撤回させたのだった。ジミーがチームに戻り、ヒッコリー・ハイのバスケ部に俄然、活気が戻ってきた。ところが、地区予選の試合で、ノーマンが興奮したあまりに途中退場させられ、ノーマンは後をシューターにたくした。そして、シューターはその試合は無難に乗り切ったものの、重圧にたえられず再び酒に手を出し、アル中治療院に送られてしまったのだ。チームはその後も快進撃を続け、ついに州の決勝にまで進んだ。相手は名門のイカサ校。試合前、ジミーら選手はコーチのため、シューターのため、そしてローカル校の意地にかけてもがんばろうと声をかけ合い、試合にのぞんだ。そして、ヒッコリー・ハイは苦戦の末に勝利をつかむのだった。