「バカは2回海を渡る」のストーリー

弓削智久は須賀貴匡とともに、自ら脚本・監督・主演を務める短編映画「FREE」の製作のため、アメリカを訪れる。2人がアメリカの大地を彷徨い、別れや再会を通じて生きていくために大切なものを発見するという筋書きはあるが、何か足りない。そこで、今回の旅を通して足りないものを見つけ、映画に投影していくつもりだった。サンフランシスコからサントレック車に乗って始まった撮影の旅は順調に進むが、弓削の紛失癖が露呈していく。弓削は鍵や財布などを失くしては、大騒ぎを起こしていた。2人は旅の思い出に、借り物のハンディカムカメラを回していた。3日目の朝、そのハンディカムがなくなってしまう。弓削は慌てて探すが、見つからない。出発の時間が迫っていたため、弓削はハンディカムを諦める。サンタバーバラでの撮影を終え車に戻ってきた弓削は、運転手のピーターがハンディカムを持っているのを見つける。弓削が車に忘れていたハンディカムを、ピーターは勝手に回していた。弓削は、ピーターが撮影していた映像を見る。ピーターは見ず知らずの男に、“あなたにとって人生でいちばん大切なものは何?”とインタビューしていた。弓削は須賀に、旅で出会った人々に同じような質問をして、その映像を映画に組み込むことを提案する。それから2人は、出会った人たちへのインタビューを始める。しかし、通訳のブライアンを通してではなく、自分たちで質問をしたいと考えるようになる。そこで2人は段ボールにマジックで、“人生でいちばん大切なものは何?”“夢が叶うとしたら何がしたい?”という質問を書き、出会った人々にインタビューを試みていく。しかし彼らはゴールのラスベガスまで3日というところで、スタッフたちとはぐれてしまう。仕方なくヒッチハイクで進んだ先に、2人にとって重要な出会いが待っていた。