「スタアと殺人鬼」のストーリー

映画の探偵俳優ビル・マーティンは長年名探偵の役をやっている間に、本当にじぶんがシャーロック・ホームズの生まれ変わりみたいな気持ちになってしまい、撮影所の女宣伝部長メリーや所長は非常に困っている。その頃、ハリウッドでは毒殺ペンと署名した謎の脅迫状が方々に届けられるが犯人の見当はつかない。マーティンは新聞記者に向かって警察の無能をわらったので、その記事を読んだ警察は大いに腹を立てたため、メリーはその対策にいつも困っていた。ところがマーティンにも毒殺ペンから脅迫状が来た。しかし名探偵をもって任ずる彼は警察に届けようともしない。ある日セットの仲で、二枚目のウェアリングがエキストラ娘ドリスを誘い出そうとしているのを見て、彼女の恋人ラリーは大いに怒る。ラリーはウェアリングの「身代わり役」であった。その夜マーティンは警察と仲直りの夜会を開いて、ラリーとドリスを招待した。すると招かれないウェアリングも現れてドリスを誘惑するのでラリーは彼を殴り倒す。マーティンは仲直りの演説をする時になって脱線の結果またも当局を侮辱する言を吐いたが、メリーの取りなしによってやっと治まる。マーティンはメリーを連れて例の脅迫状を彼の友人で犯罪学の泰斗ハーマン教授に見せて相談する。教授こそはマーティンに脅迫状を送った毒殺ペンであったが彼は何事にも気がつかない。翌日はメリーの取りなしで本物の警官が特別出演して自動車で追跡の場をロケーションに出る。教授は道端に隠れてマーティンを狙撃したが、誤ってウェアリングが射殺された。教授は酔っ払って来合わせたラリーを殴り倒して拳銃をそこに置いて立ち去ったので、ラリーが犯人として検挙された。しかしその後もマーティンは依然として狙撃を受けるので新聞記者に向かって相変わらず当局の無能を罵倒する。メリーは脅迫状を当局に提出して外国人の筆跡であることを知ったが、たまたまそれがハーマン教授の手になることを確信して警官と共に教授の家を襲う。ちょうどその頃マーティンは教授の家を訪れたので拳銃をつきつけられて危いところだったが、けがの功名で彼を捕縛し警官に向かって得意満面の名探偵ぶりを見せた。こうしてラリーの無罪も証明され、マーティンもメリーと相擁した。