「ステージ・ドア」のストーリー

ニューヨーク市にある脚光倶楽部は、野心と希望に燃え立つ女優志願の若い娘たちが日夜をすごす下宿である。彼女等は脚光を浴び満場の客席から喝采を受ける夢想を力に生きている。その1人はリンダである。彼女は有名なプロデューサーたるアンソニー・パウエルを旦那にしているので、どうやら心配なくやって行ける。しかしケイは1年ほど努力して物になりかけているのに、もう資力が尽きて殆ど餓死同様の暮らしをしている。皮肉屋で口達者なジーンは、舞台の成功を願いながらナイトクラブの踊子をして生活をたてている。それから南部生れのメアリー・ルーや田舎の町から出て来たジュディスがいる。イーヴ、ボビィ、スーザン等もいる。皆一様に舞台への成功熱に輝いているのだ。この脚光倶楽部に、ある日のこと一見ブルジョア育ちと見えるテリイ・ランダルが来て住まうことになった。彼女も同じ様に舞台熱に浮かされているが、自分の芸の力だけで認められようと決心している。ジーンが彼女と同室することになったが、性質も教育も環境も違う2人はその日から口喧嘩を始めるのだった。理想派のテリイに対して、ジーンはそれよしも名声がたいせつだと思うようになった。彼女はパウエルが近頃リンダに飽きたのを知って、巧みに彼と知合いになる。彼はジーンを贅沢なアパートに招待して夜食を共にした。彼女はパウエルの申し出を聞き、舞台の名声を得るためならばと承知する。その後ジーンは、涙ながらに彼も妻と別れて自分と結婚してくれなければと迫ったが、パウエルは巧みに話をそらした。テリーには思いがけぬことが起った。彼女の父親で富豪のヘンリー・シスムは、娘に主役をつける条件でパウエルの金主となった。父の考えは娘は失敗して舞台を思い切るであろうというのだ。脚本は「魅惑の4月」と決まる。ケイはこの脚本なら主役は自分に来ようと稽古を始めたが、テリーの主役と決まったので深く失望する。しかし彼女はそれを隠してテリーに細々と芸を教えてやった。そして初日の晩、生甲斐を失ったケイは窓から身を投げて命を絶つ。ケリーは教えられた通りに熱演し大成功を得た。芝居が終ると彼女は不幸なケイの死骸に涙ながらに感謝した。ジーンはパウエルを忘れて仲良しの青年と連れ立って歩く。ジュディスは田舎へ帰り、ルーは端役につく。娘たちはやはり舞台への憧れを力に生きている。

今日は映画何の日?

注目記事