「スペインの花」のストーリー

フランダースが末だスペインの支配下にあった16世紀の頃の物語。アザール侯の暴政の下にあったオランダの人々はオレンジ公「沈黙のウイリアム」を盟主として秘かに彼等の勢力を除かんと企てていた。オレンジ公の傍には常に皮の面を付けて決して誰にもその正体を示さぬ侠勇レザーフェイスがいて、愛国者の会合には必ず護衛の任に当たっていた。この結束を知ったアザール侯は姪のレノラ姫をゲントの豪族マルク・ヴァン・リイクと結婚せしめて支配者と被支配者との友情を固めるのを口実に、その動静を探らんとした。がこのマルクというのは酒呑みの凡人であった。レノラはかくて政略的結婚の犠牲となったが、彼女にはラモンというスペイン牙の士官の愛人があり、夫にすげない素振りを示した。一方ラモンは土地の娘を挑んでレザーフェイスに殺される。レノラは愛国者の会合を見つけその人名簿を手に入れて伯父に手渡しするために旅出した。マルクも強いて行を共にする。途中車が破損して小さな町の宿屋へ泊まった時、レノラは始めてマルクの優しさに抱擁を許したのであったが、その時レノラ彼が腕に負傷していることを知った。彼女はラモンが殺される時にレザーフェイスの腕に傷を負わせたことを知っていたこととてこの腕の傷を怪しいと思う。その時、アザール侯はこの宿に到着した。レノラは人名簿を侯に渡そうとする。マルクはそれを火中に投じたので捕まえられる。マルクが拷問にかけられた上、死刑にされると聞いた時、レノラは始めてスペイン牙の暴政を覚りマルクを救わんとし、宿屋を脱出してマルクの父母に一切を告げる。かくて愛国者達は一斉に奮起し、カスティールの城を乗取り、アザール公を襲ってマルクを救い、更にスペインの軍隊をフランダースの地から追い退けることに成功した。オレンジ侯の言によってレノラの立場を諒解し得たマルクは彼女の謝罪を快く容れて、2人は始めて幸福な日を迎えるのであった。

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