「アッシャー家の惨劇」のストーリー

晩秋のニューイングランド。フィリップ・ウィンスロップ(マーク・デーモン)は、ボストンで婚約したマデリン(マーナ・ファーイ)を訪ねて、アッシャー家にやってきた。マデリンの兄ロデリック・アッシャー(ヴィンセント・プライス)は不気味な男だった。マデリンもやせて青ざめ、ボストンで会った時とは違っていた。邸の地下室には、奇怪なことにロデリックとマデリンの名を刻んだ柩があった。フィリップはマデリンを邸から連れだそうとした。ところが、彼女は突然死んだ。葬式の夜、フィリップは悪夢にうなされた。その頃マデリンも苦しんでいた。彼女は兄と口論して仮死状態になったまま柩の中に入れられていたのであった。執事のもらした一言から仮死状態におちいるのがマデリンの持病であるのを知ったフィリップは、彼女の死が本当でないことに気づいて納骨堂に走った。柩は納骨堂の奥の秘密室にあった。しかし柩はカラで、血の後が残っているばかりだ。彼女は気が狂っており、隠し通路を通り、広間にさまよいでていた。そして、フィリップにおそいかかった。フィリップが辛うじて身をかわすと、彼女はロデリックの部屋にとびこみ、兄の首をしめた。その騒ぎで燭台が倒れ、焔がカーテンにもえ移った。やがて火はアッシャー家全体を包んでもえさかった。フィリップはようやくのことで外に逃れたが、ロデリックとマデリンは建物の中で焼け死んだ。呪われたアッシャー家は業火の中にほろびさった。