「或る愚者有りき」のストーリー

銀行家ジョン・スカイラー(ルイス・ストーン)はヨーロッパへ商用で旅行した時同船したギルダ・フォンテーン(エステル・テイラー)という妖婦に魅せられて、妻子も事業も総て放棄して、彼女の色香に溺れてしまう。彼の秘書は、スカイラー夫人の妹ミュリエル(ミュリエル・フランセス・ダナ)の婚約者トム・モーガン(ーロン・ハミルトン)に此の事を報告する。スカイラー夫人(アイリーン・リッチ)はトムから此の事を聞いたが、彼の忠告に従って夫を許そうとする。身も心も荒み果ててジョンが帰国し、愛する妻にトムの計らいで逢おうとした時、妖婦ギルダは再びその姿をジョンの前に現した。ジョンはその妖力から逃れんとしたが力及ばず、怒り狂ってギルダを殺そうとするが、逆に彼女の為に階下に突落とされてしまう。ギルダは冷然と去って行くが、階段の下には冷たいジョンの骸が横たわっていた。