「人罠」のストーリー

ラルフ・プレスコットというニューヨークの弁護士は自分の取り扱った事件やその他の経験から女程煩わしいものは世の中にないと信じ未だに独身だったがある時友人の勧めに従いカナダに野営旅行に赴いた。彼らが行ったのはマントラップという地方でその処にはジョー・イースターというすこぶる朴直な男が住んでいて、丁度プレスコット等と入違いに都会見物に出掛け、その処で逢ったアルヴィアという現代娘と不思議な縁で共鳴し結婚して帰って来た。ラルフ・プレスコットが友人と喧嘩を始めた時通りかかったジョーはラルフを家に連帰った。アルヴァナは正直な女だったが男を見ると秋波を送り度くなるという奇癖があって、ラルフとも親しくなり、両親に責められてニューヨークに帰ろうとするラルフの船に無理に乗って同行した。それを知ったジョーは直ぐに追跡したが、ラルフとアルヴァナは途中の辛苦を共にして相愛の仲となった。彼らの案内役の原住民がある日船と糧食とを持ち逃げした。2人はやむなく荷物を担いで徒歩旅行を続けた。しかし飢と疲労に歩けなくなった2人にジョーは追いつき、ラルフとアルヴァナの処置を談合した。アルヴァナは自分の始末は自分ですると行って2人を置き去りに船に乗って行ってしまった。ジョーがマントラップに帰ってしばらくするとアルヴァナが姿を現して生涯の貞節を誓った。