「ロンリー・ブラッド」のストーリー

ペンシルヴァニアの片田舎。ハイスクールを中退したブラッド・ジュニア(ショーン・ペン)は、母のジュリー(ミリー・パーキンス)や弟のトミー(クリストファー・ペン)らと無気力な暮らしをしていた。そんなジュニアの前に、家族を捨てて久しい父のブラッド・シニア(クリストファー・ウォーケン)が現われる。ならず者グループを率いる無法者の父は、ジュニアの目にはとても魅力的に見えた。父に憧れを抱くジュニアは、弟や友人を誘って大人達の手口を真似た盗みを働くようになった。一方で彼は農家の娘テリー(メアリー・スチュアート・マスターソン)に恋し、一緒に暮らしたいと考えていた。父の一味に加えてもらったものの、人を虫ケラのように殺す場面を目撃したジュニアは、嫌悪感から父のもとを去ろうとするが、盗みをはたらき逮捕されてしまう。ブラッド一味に目をつけていたFBIと地元警察は、ジュニアに父の罪状を密告することを強要するが、彼は口を閉ざし続けた。ところがシニアの方は、息子の変節はお前のせいだとテリーを責め、レイプしてしまう。その上、大陪審に召喚された若者達を次々と殺害し、山に埋めていく。テリーからレイプの一件を聞いたジュニアは、遂に父を窮地に追い込む証言をすることを約束して釈放された。祖母(アイリーン・ライアン)や母に励まされ、テリーと町を出る決心を固める。しかし旅立ちの日、ジュニアとテリーの2人をシニアの凶弾が襲った。テリーは死に、奇跡的に助かったジュニアは、結着をつけるため父のもとに向かった。父親に銃口を向けるジュニアは「あなたのような獣とは違う」と言うと、引き金を引くのを思いとどまるのだった。