家族の肖像

かぞくのしょうぞう
上映日
1978年11月25日

製作国
イタリア フランス

制作年
1974
上映時間
121分

ジャンル
ドラマ

check解説

ローマの豪邸で静穏そのものの生活を送る孤独な教授が、ある家族の一群に侵入され、そのことによっておきる波紋をヨーロッパ文明と現代貴族のデカダンスを根底に描く。製作はジョヴァンニ・ベルトルッチ、監督は「ベニスに死す」のルキノ・ヴィスコンティ、助監督はアルビノ・コッコ。「若者のすべて」以来ヴィスコンティ映画の常連エンリコ・メディオーリの原案を彼とスーゾ・チェッキ・ダミーコとエンリコ・メディオーリが脚色。撮影はパスカリーノ・デ・サンティス、音楽はフランコ・マンニーノ、編集はルッジェーロ・マストロヤンニ、美術はマリオ・ガルブリア、衣裳はヴェラ・マルゾが各々担当。出演はバート・ランカスター、シルヴァーナ・マンガーノ、ヘルムート・バーガー、クラウディア・マルサーニ、ステファノ・パトリッツィ、エルヴィラ・コルテーゼ、ギイ・トレジャン、ジャン・ピエール・ゾラ、ロモロ・ヴァッリ、ウンベルト・ラホ、クラウディア・カルディナーレ、ドミニク・サンダなど。日本語版監修は清水俊二。テクニカラー、トッドAO。本国公開題名は、Gruppo di Famiglia in un Interno。2017年2月11日よりデジタル修復版を上映(配給:ザジフィルムズ)。
映画館で観る
配信で観る
Blu-ray&DVDで観る
  • 【DVD】ルキノ・ヴィスコンティ DVD-BOX 3枚組

  • 【DVD】家族の肖像 デジタル完全修復版

  • 【BD】家族の肖像 デジタル完全修復版

  • 【DVD】家族の肖像 デジタル・リマスター 無修正完全版

TVで観る

この作品のレビュー

ユーザーレビュー

「家族の肖像」のストーリー

ローマ市の中心地の豪邸に住む教授(B・ランカスター)は〈家族の肖像〉と呼ばれる18世紀の英国の画家たちが描いた家族の団欒図のコレクションに囲まれて孤独な生活を送っていた。その教授の趣味を巧妙に突いたビアンカ(S・マンガーノ)は、画商を通して教授に近づき、娘のリエッタ(C・マルサーニ)とその婚約者ステファノ(S・パトリッツィ)、美青年コンラッド(H・バーガー)らをひきつれて教授の二階に住みついてしまう。粗暴で意固地なコンラッドは二階を自分の名義で買ったと信じ改造工事をさせ、一階の住居を水びたしにしてしまう。しかし教授が冷静になって話しこむとコンラッドは美術の造詣も深く、ビアンカとの不倫な関係から発する毒のような魅力とは別な純粋さで教授の心をとらえるのだった。翌朝、パリから帰ってきたビアンカとの間に衝突が起こるが、和解のしるしにと教授が招待したその夜の晩餐には4人とも遂にあらわれなかった。一ヵ月後、ヨット旅行から帰って、ふたたび教授の家の二階の住人となったコンラッドは、深夜、右翼青年に急襲をうけるが、教授に書斎の奥の隠し部屋に連れていかれ介抱してもらう。不安を訴え、助言を求めるコンラッドを教授は父親のようにはげますだけだった。その晩、幼い頃の母(D・サンダ)や別れた妻(C・カルディナーレ)の追憶から教授を呼び起すように、若者3人が教授の書斎でカンツォーネに合わせて全裸で踊っている。リエッタは教授に詩人オーデンの言葉“美しきものは追い求めよ、少女であれ少年であれ抱擁せよ……性の生命は墓に求めえぬゆえ”と語りかける。そのころ、ミュンヘンに出発したコンラッドは国境で不審訊問にあい、身元引受人として教授の名をあげる。釈放されたコンラッドの帰還を迎えての晩餐はあたかも一幅の〈家族の肖像〉と化したかのようなはじめての、そして最後の晩餐だった。政界の事情に詳しいステファノとコンラッドは互いに罵倒しあい、なぐり合う。教授がかかげる古風な文明論とは余りにも違う次元のその背景に、わけいる教授の力も弱い。教授を父と呼び、永遠の別れを告げる手紙をのこしコンラッドは爆死し教授は病に伏せてしまう。床で本を読んでいた教授の耳に何者かの足音が聞こえ、それからしばらくして教授は息をひきとるのだった。

「家族の肖像」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「家族の肖像」のスペック

基本情報
ジャンル ドラマ
製作国 イタリア フランス
製作年 1974
公開年月日 1978年11月25日
上映時間 121分
製作会社 ルスコニ・フィルム=ゴーモン・インターナショナル
配給 東宝東和=フランス映画社
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
カラー/サイズ カラー/シネスコ
音量 モノラル
公式サイト http://www.zaziefilms.com/kazokunoshozo/
コピーライト (C)Minerva Pictures

関連するキネマ旬報の記事

関連記事一覧
2017年2月下旬号 キネマ旬報ベスト・テン発表特別号 2016年 第90回 キネマ旬報ベスト・テン 外国映画ベスト・テン
2016年 第90回 キネマ旬報ベスト・テン 読者選出外国映画ベスト・テン
UPCOMING 新作紹介 「息の跡」
2016年 第90回 キネマ旬報ベスト・テン 日本映画ベスト・テン
2016年 第90回 キネマ旬報ベスト・テン 読者選出日本映画ベスト・テン
UPCOMING 新作紹介 「家族の肖像 デジタル完全修復版」
1994年3月下旬号 グラビア 《New Release》(新作映画紹介) 夏の庭―The Friends
特集 夏の庭―The Friends 相米慎二監督インタビュー
特集 夏の庭―The Friends 対談 川本三郎
特集 夏の庭―The Friends 作品評
外国映画紹介 ピアノ・レッスン
グラビア ディーバ、家族の肖像
1978年10月上旬秋の特集号 外国映画批評 ピロスマニ
外国映画紹介 ピロスマニ
日本映画批評 さらば宇宙戦艦ヤマト
特別グラビア '79年正月映画特集 ジョーズ2/グリース/ピンク・パンサー4/グレートスタントマン/ナバロンの嵐/ナイル殺人事件/アトランティス/シャレード'79/家族の肖像
1978年10月下旬号 キネ旬試写室 家族の肖像
1978年11月下旬号 グラビア 家族の肖像
特集 「家族の肖像」 1 家族への愛憎と孤独の肖像
特集 「家族の肖像」 2 彼の映画そのものの似姿が・・・
特集 「家族の肖像」 3 そこにデカダンの生いたちが・・・
特集 「家族の肖像」 4 悲劇的な人間の情念へ向けるリアルな眼
特集 「家族の肖像」 5 わが映画、わがレクイエム
特集 「家族の肖像」 6 「家族の肖像」製作余話
1978年12月上旬号 外国映画紹介 家族の肖像
1979年1月上旬新年特別号 グラビア 歌う女・歌わない女
特集 「歌う女・歌わない女」 1 男性はそこに女性を発見する
特集 「歌う女・歌わない女」 2 誠実に生きることの素晴しさ
特集 「歌う女・歌わない女」 3 人との出会いが大切だ
特集 「歌う女・歌わない女」 4 アニエス・ヴァルダ作品に流れる透明な時間
特集 「歌う女・歌わない女」 分析採録
外国映画批評 家族の肖像
1979年2月下旬決算特別号 特別カラー・グラビア 外国映画作品賞 「家族の肖像」