解説
美しい人妻の胎児に悪魔がとり憑いた。その悪魔とエクソシストの戦いを描くオカルト映画。製作はオビディオ・G・アソニティスとジョルジョ・カルロ・ロッシ、脚本・監督はオリヴァー・ヘルマンとR・バレット、撮影はロベルト・デットーレ・ピアッツォリ、音楽はフランコ・ミカリッツィが各々担当。出演はジュリエット・ミルズ、ガブリエレ・ラヴィア、エリザベス・ターナー、ニーノ・セグリーニ、リチャード・ジョンソン、デイヴィッド・コリン・ジュニア、バーバラ・フィオリーニなど。
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「デアボリカ」のストーリー
人妻ジェシカ(J・ミルズ)は、突然妊娠した。あれほど気をつけてピルを欠かさず用いていたのに、医師ジョーンズ(D・コリン・ジュニア)によれば三ヵ月だという。レコード・ディレクターの夫ロバート(G・ラビア)、いたずら盛りの娘ゲイル(E・ターナー)、息子ケン(N・セグリーニ)の四人暮しの家庭は幸せそのものだった。ようやく赤ん坊を生む気になったが、つわりにしては異常な血を吐いたりして精神状態は最悪だった。そんなある日、古い写真を見ていた彼女は、その中に昔の恋人とうつっている写真を発見して突如兇暴になり夫が大事にしている金魚鉢を打ち砕いてしまう。その頃、ロバートの行く先にも見知らぬ男の視線がつきまとうようになっていた。写真にジェシカとうつっていたあの男だった。それより少し前、海辺の道を走っていた自動車がガードレールをつき破って海へ落下したが、とたんに宙でとまった。運転席の男の名はディミトリ(R・ジョンソン)といい、超能力者だった。そのディミトリの耳に悪魔の嘲笑が聞こえた。かつて自分の恋人が悪魔にとり憑かれたとき、あやうく救ってやったことがあったが、これはそのときの悪魔の復讐だったのだ。“殺すのはもう少し待ってやろう。その間にあの女を見つけて、女の腹から生まれてくる子供の体内に入るのだ成功すればお前は別の生命を再び生きることが出来るだろう”。その間にもジェシカの赤ん坊は現代医学では考えられぬスピードの発育をみせ、同時に彼女の顔はふた目と見られぬ醜悪さに変わっていった。ロバートはディミトリの、彼女を救えるのは私しかいないという言葉を信じて彼と妻の二人だけ家に残したが、対決はディミトリの昏倒という惨めな結果に終わった。そして悪魔とディミトリの二度目の対決のときがきた。悪魔に延期された死までの時間はもはや僅かしか残っていない。焦燥をかくせないディミトリにジェシカに乗り移った悪魔は卑猥な言葉と共に、ネグリジェの前をはだけて“この子宮の奥からお前の手で赤ん坊を引っぱり出してみろ”と叫ぶ。ディミトリの怒りが爆発した。再びベッドに横たわったジュシカのふくれた腹を、彼は両こぶしで力の限り叩き続けた。そのシーンにかぶさって--晴れ渡った断崖を、例の自動車が海中へまっさかさまに突っ込んでいった。ジョージが入ってきたとき、ジェシカは安らかな寝顔で眠っており、ベッドのかたわらに白いぶよぶよの胎児が転がっていた。口のないその異様なかたまりはすでに息絶えていた。数日後、もとの美しさに戻ったジェシカが夫や子供たちと湾めぐりの船に乗っている。舷側から身をのり出したケンが包み紙をほどいて箱からオモチャの自動車を出し、海中へ落とした。それは、ディミトリの乗っていた車とそっくりで、その自動車はケンの手から離れて泡立つ海中へ一直線に落ちていく。無邪気な笑顔で見下ろすケンの両眼が、悪魔のように不気味な金色に光っているのを、まだ誰も気づいてはいなかった。
「デアボリカ」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「デアボリカ」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ホラー |
製作国 | イタリア |
製作年 | 1973 |
公開年月日 | 1975年4月26日 |
製作会社 | オビディオ・アソニティスプロ |
配給 | 東和 |
レイティング | |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
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