解説
「無防備都市」「戦火のかなた」のロベルト・ロッセリーニ監督が数年の沈黙を破って作ったレジスタンスにまつわるドラマ。インドロ・モンタネリの原作をセルジオ・アミディが脚色し、撮影はカルロ・カルリーニが担当。音楽はレンツォ・ロッセリーニ。出演するのは「カジノ・ド・パリ」のヴィットリオ・デ・シーカ、「脱獄十二時間」のハンネス・メッセマー、サンドラ・ミーロ等。製作モリス・エルガス。
「ロベレ将軍」のストーリー
第二次大戦末期の1944年。連合軍は南伊を解放し、ナチの支配する北伊に迫っていた。ナチ占領下のジェノヴァ市に、グリマルディ大佐と自称する中年男がいた。本名をジョバンニ・ベルトーニ(ヴィットリオ・デ・シーカ)という彼は、バクチと女に身をもちくずし、ナチ司令部の下士官と結託して、イタリア・パルチザンを釈放してやると称して家族から金をせしめている男だった。その頃、連合軍は北伊のパルチザンと連絡をとるため、イタリア人の将軍ロベレを秘かに南伊に潜入させた。ナチ司令官ミューラー大佐(ハンネス・メッセマー)は、彼をとらえてパルチザン組織の息の根をとめようと計った。ところが、将軍はナチの一分隊により発見され射殺されてしまった。大佐は、ここでニセのロベレ将軍をしたてて、彼をオトリにパルチザン組織を探ることを思いついた。かえだまに選ばれたのはグリマルディだった。ロベレとなったグリマルディはミラノの刑務所に送りこまれた。とらわれていたパルチザン達は、彼をロベレ将軍として尊敬した。ある日、九人の捕虜が刑務所に送られてきた。その中には、ファブリッツォという名の、パルチザン指導者がいるのだが、それが誰かはよくわかっていなかった。ファブリッツォが獄中でロベレと連絡をとるだろうと考えた大佐は、グリマルディに警戒を命じた。バンケリという囚人が暗号を記した紙片をニセのロベレに渡した。大佐は返信を作ってロベレからバンケリにそれを渡させた。が、皮肉にも看守がバンケリの持つ紙片を発見してしまった。こうなってはバンケリを拷問するほかはない。苦しみに耐えかねたバンケリは自殺してしまった。ニセのロベレの心はショックで動揺した。スパイ活動に疑いをもちはじめた彼にも、大佐は拷問を加えた。実際のロベレ将軍の夫人からとどいた手紙も、グリマルディを感動させた。パルチザン達が銃殺される朝がきた。大佐は銃殺をひかえた最後の朝こそ、ファブリッツォがロベレに連絡をとるだろうと考え、グリマルディと捕虜達を同室させた。案の定ファブリッツォはロベレの前に名のりでた。しかし、翌朝グリマルディが選んだのは、口を閉じて、ロベレ将軍として刑場に立つことであった。彼はロベレ将軍として処刑された。
「ロベレ将軍」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|

「ロベレ将軍」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | ドラマ |
製作国 | イタリア |
製作年 | 1959 |
公開年月日 | 1960年3月22日 |
上映時間 | 140分 |
製作会社 | ゼブラ・フィルム |
配給 | イタリフィルム |
レイティング | |
アスペクト比 | スタンダード(1:1.37) |
カラー/サイズ | モノクロ/スタンダード |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
1960年1月下旬号 | ロッセリーニと『ロベレ将軍』 |
1960年2月特別号 | 新作グラビア ロベレ将軍 |
1960年2月下旬号 |
特集批評 「ロベレ将軍」とロッセリーニの現在点 詩から散文への途 特集批評 「ロベレ将軍」とロッセリーニの現在点 新しい空間の形成 外国映画紹介 ロベレ将軍 |
1960年4月下旬号 | 外国映画批評 ロベレ将軍 |
1960年8月上旬号 | 旬報論壇 「ロベレ将軍」への疑問 |