解説
イタリア現代作家リカルド・バッケッリの長篇散文詩を映画化した一九四九年作品で、フェデリコ・フェリーニ、トゥリオ・ピネリが脚色、「無慈悲」のアルベルト・ラットゥアーダが監督する。撮影は「シーラ山の狼」のアルド・トンティ、音楽は現代イタリア楽壇の第一人者イルデブランド・ビゼッチ、製作は「白い国境線」のカルロ・ポンティ。主演は「荒野の抱擁」のカルラ・デル・ポッジョ、「シーラ山の狼」のジャック・セルナス、以下マリオ・ベゼスティ、ジュリオ・カーリ、アンナ・カレーナ、ジャコモ・ジュラディらが助演する。
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「ポー河の水車小屋」のストーリー
一九世紀末葉、北イタリアポー河の流域フェルラーラに近く、水車屋スカルチェルニ家の娘ベルタ(カルラ・デル・ポッジョ)は、土地の富農ヴェルジネージ家の息子オルビーノ(ジャック・セルナス)と婚約した。初期社会主義の風靡した頃で、粉挽人や農民達の権力に対する反抗は日増しに強くなっていた。ベルタの兄で頭の足りないプリンチヴァッレはかねて脱税のため粉挽メーターをごまかしていたが、国税局に発見されそうになり、家に放火して証拠を消した。一家は貧窮のどん底におち、ベルタはヴェルジネージ家に働きに出て婚約も延期になった。ストライキがおこり、地主達が軍隊を呼んだので大混乱が起った。スカチェルニ家だけはストに加わっていなかったためベルタは群衆に袋叩きにされ、助けようとしたオルビーノはストに加担していた彼の家族に押えられた。これを知ったプリンチヴァレは妹の復讐を決意して村に向った。指導者の裏切りでストは分裂し、スマラッツァクックという悪党が彼に、ベルタを辱しめたのはオルビーノだと欺いた。プリンチヴァッレはヴェルジネージ家にかけつけ、弁明しようとするオルビーノを二階から突落した。オルビーノはベルタへの愛の言葉を残して死んで行った。はじめて真相を知ったプリンチヴァッレは放心したように去って行くが、そのあと、スマラッツァクックはオルビーノの死体をポー河に投込んだ。ポー河の溺死者は愛人の手に拾われた時成仏出来るという土地の言い伝えで、オルビーノを探しに出かけたベルタは、翌朝河口で愛人の死骸を抱き上げることが出来た。
「ポー河の水車小屋」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「ポー河の水車小屋」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | イタリア |
製作年 | 1949 |
公開年月日 | 1951年11月25日 |
製作会社 | ルクス |
配給 | イタリフィルム=松竹 |
レイティング | |
アスペクト比 | スタンダード(1:1.37) |
カラー/サイズ | モノクロ/スタンダード |
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