解説
「巨人ゴーレム(1936)」「我等の仲間」に次ぐジュリアン・デュヴィヴィエの監督作品で、モーリス・シュヴァリエにとっては「シュヴァリエの放浪児」に次ぐ主演映画で、彼のフランスに於ける第一回トーキー作品である。シナリオは「商船テナシチー」の劇作家シャルル・ヴィルドラック、「女だけの都」「我等の仲間」のシャルル・スパーク、及びデュヴィヴィエ自身の三人が協力書卸したもので、撮影は「ミモザ館」のロジェ・ユベールが担任した。シュヴァリエの相手役は、舞台の人気女優エルヴィール・ポペスコで、その他、「女だけの都」「不良青年」のアレルム、「巴里-伯林」「禁男の家」のジョゼット・デイ、新顔のルネ・ドヴィレールを始めとして「はだかの女王」のマルセル・ヴァレ、「地の果てを行く」のシャルル・グランヴァル、「にんじん」のロベール・リナン、「我等の仲間」のマルセル・ジェニア、セルジョル、ジャック・グレティラ、レイモン・エーモス、ロベール・ピザーニ、マルグリット・ドヴァル、マルセル・プランス、等多数出演している。歌はミレイユ、フランク・ノアン、ボレル・クレール、ジャン・ヴィーネが書き、音楽はジャン・ヴィーネが書いた。
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「シュヴァリエの流行児」のストーリー
アルフレッド・ブーラールはパリ・ベルヴィル生まれの下町っ子で、今は病院で電気工として働いているが、彼の年来の望みはミュージック・ホールの舞台に立つことであった。かねがねブーラールの歌を立派なものと信じている許婚のスュザンヌは彼が舞台に立った時には己れも舞台に出させて貰おうと考えていたし、ブーラールの弟分のミロオはその時は自分を照明係に雇って貰おうと望んでいた。ところが、スュザンヌを連れてブーラールは意気込んでフォリー・ベルジェールの採用試験に出掛けたところ、莫迦な話から彼は落第した。しかし、この翌日、フランスの大悲劇女優たるモナ・タリアがシャトレエ座で告別公演の際に大怪我をした時、ブーラールは彼の血を与えてモナ・タリアの命を救った。国宝的大女優の命を助けたということで、ブーラールの名は忽ちにパリ全市に轟き渡った。一朝にして彼はパリ市民の英雄となった。ところで、このモナ・タリアという名優は、多くの取り巻きに囲まれ、古典悲劇の世界に住む不思議な存在だったが、彼女は自分の気に入った男の中に忽ちにして悲劇役者の天分を発見するという浮気心を持っていた。モナ・タリアはブーラールを悲劇役者に仕立てることにした。そして、彼に稽古をつけがてら、ブーラールの母のいる田舎メレヂーに遊びに行く。ブーラールがモナに夢中になったため取り残されたスュザンヌは彼女に気のあるモナの夫コルミエ男爵の助力で歌の稽古をする。ところが、メレヂーでブーラールは計らずモナの御機嫌を損じてしまう。しかも、孝行者の彼が自慢がてら老母をパリに連れて来た時には、パリの噂と人気とは既に別の奇妙な人物に移っていた後だった。母は彼を慰めて帰って行ったが、モナに棄てられ、スュザンヌを失い、金も盗まれたブーラールに、もう昔日の栄光はなかった。下宿の連中は手の裏を返して花売娘を種に彼にひどい悪戯をした。彼は自棄になってそいつ達と喧嘩をした。そして昔の人気者は今は土管の工夫となり下った。だが、スュザンヌのレヴュウ出演も実力のない彼女は観客の罵声に葬り去られた。ブーラールとスュザンヌとは始めて己れの位置を悟った。しかし、一方ミロオだけは多年の望み叶い照明器を舞台に向けている。そして、その舞台に立ち歌っているのはモーリス・シュヴァリエである。
「シュヴァリエの流行児」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「シュヴァリエの流行児」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ドラマ |
製作国 | フランス |
製作年 | 1936 |
製作会社 | ジョゼ・マルキ |
配給 | 東和商事 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | スタンダード(1:1.37) |
カラー/サイズ | モノクロ/スタンダード |
音量 | モノラル |