真夜中の虹

まよなかのにじ Ariel
上映日
1990年9月1日

製作国
フィンランド

制作年
1988
上映時間
74分

レーティング
一般映画
ジャンル
アクション

check解説

南への渇望を抱く主人公の放浪をロード・ムーヴィーの形を借りて描くハードボイルドロマン。製作・監督・脚本を兼ねるのは「レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ」のアキ・カウリスマキ。撮影はティモ・サルミネンが担当。出演はトゥロ・パヤラ、スサンナ・ハーヴィストほか。
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この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • ミャーノフ大佐

     1990年代、この映画からアキ・カウリスマキの映画を見続ける様になった。私にとってのアキ・カウリスマキとの初めての邂逅だ。ラストシーンを覚えているんだよな。
     フィンランドの北部にある鉱山の閉鎖から始まる。失業した労働者はどうするか。自殺したり、南(ヘルシンキ?)に向かったり。アキ・カウリスマキの映画って、結構人が死んだり殺されたりするけど、あっさりとコメディタッチでえがいているから深刻さがないんだよな。そんなところも渇いた笑いを誘う。で、南に向かった主人公のカスリネンは自殺した同僚からもらったコンバーチブルで南に向かうが、これが幌が閉じないんだよな。冬のフィンランドをオープンカーで走るってのもふざけている。真面目にふざけているところが面白い。で、ヘルシンキに着いてから不幸続きでお金は強盗に盗られるわ、その強盗を見つけてもみ合っていると警察に捕まって逆に刑務所に入れられるわ。それでもヘルシンキで子持ちの独身女性と知り合い親しくなる。彼女の差し入れに脱獄用のヤスリが入っていて、刑務所仲間と一緒に脱獄する。この仲間ミッコネンがカウリスマキ映画に常連のマッティ・ペロンパーだ。前作の「パラダイスの夕暮れ」より少し太った気がするのだが。で、ここからがラッキーの連続で...。でラストは貨物船で密航するところで終わる。私の記憶では1人で逃げた記憶なのだが、親子3人で逃げたのね。記憶がずいぶんと薄れていた。
     「パラダイスの夕暮れ」に続く純愛映画だ。
     そして「カラマリ・ユニオン」、「パラダイスの夕暮れ」に続いて、勝手に海外脱出3部作と言おう。何故、海外に脱出しようとするのだろうか。彼の映画は、貧しい人達を主人公にした映画が多いが、日本から見ると、北欧は福祉の充実した国と言う印象だが、内情はやっぱり貧富の差が激しいのだろうか。幻の理想郷を目指すのだろうか。理想郷はないのに。
     やっぱり渇いた笑いと言おうか、とぼけた笑いと言おうか、アキ・カウリスマキの魅力ってここだよね。

「真夜中の虹」のストーリー

家無く職無く、自殺した父のキャデラックでカスリネン(トゥロ・パヤラ)は一路南へ--。ヘルシンキへ向かう途中のドライヴ・インで有り金奪われて途方に暮れている時、婦人警官のイルメリ(スサンナ・ハーヴィスト)と出会い、彼女とその息子リキ(エートゥ・ヒルモカ)に奇妙な愛情を抱く。金に困りキャデラックまで売ってその日暮らしの中、偶然金を奪った相手を見つけ殴りかかるが、逆に警官に取り押えられ刑務所入り。が、同室のミッコネン(マッティ・ペロンパー)と共謀してまんまと脱獄に成功。キャデラックを奪い返し、イルメリとは簡易結婚式を挙げ、銀行強盗までして資金稼ぎをしながら国外脱出を企てる。しかし、メキシコ行きの夢も空しく相棒のミツコネンは闇屋に殺される。しかしカスリネンはあきらめない。ミッコネンの遺体を彼の遺言通りゴミ処理場に埋めると、虹の彼方、南を目指し、イルメリとリキを乗せた車でメキシコ行きの船、アリエル号へ向かうのだった。

「真夜中の虹」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「真夜中の虹」のスペック

基本情報
ジャンル アクション
製作国 フィンランド
製作年 1988
公開年月日 1990年9月1日
上映時間 74分
製作会社 ヴィルアルファ・フィルム
配給 シネセゾン
レイティング 一般映画
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
カラー/サイズ カラー/ビスタ
音量 ドルビー

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