一体どこからこんな発想が出てくるのだろうか。元ネタになる物はあるのだろうか。いやあ、驚いてしまった。笑ってしまった。ネタバレになるから書かないでおこうと思ったが、各映画評サイトで書いてあるので言ってしまうが、みんなフランク。カラマリ・ユニオンのみんなフランク。いきなりユニオンの会合で、全員対岸のエイラに行くことを決め、行動を起こしていく。エイラは理想郷だ。一応、舞台はヘルシンキなのだろう。allcinemaやウェキおじさんは結構突っ込んで書いているけど、映画からはそこまで詳しくは述べていないよな。確かに高給取りには見えないけど、普通の庶民でしょ。それとも冒頭のエイラへの脱出の演説からそこまで読み取るかな。うーん、アキ・カウリスマキの映画で深読みする必要があるのかは疑問だけど。
で、それぞれのフランクの行動がおかしみがある。何らかの事件や事故などでフランクが次々と死んでいくんだけど、それでも残ったフランク達はエイラを目指す。そう、昔、五木寛之の小説とフォーク・クルセイダーズの歌で”青年は荒野をめざす”ってあったな。”フランク達はエイラを目指す”。
閑話休題。ラスト、生き残ったフランクはボートでエストニアを目指す。エイラがダメならエストニアさ。確かに地図で見るとフィンランドの南東バルト海を挟んでエストニアがある。このラストの展開、アキ・カウリスマキ映画でよく出てくるので記憶しておくと良いよ。
アキ・カウリスマキの映画は音楽に特徴がある。アメリカ音楽、特に古いポップスやジャズを流している。映画の効果として使っている。これがまた良い味出しているんだよね。
途中長い会話のシーンがあるが、映画のリズムを壊している様でいただけないかな。ここは欠点だと思う。
それにしても、フランク達おのおのがとぼけていて良いんだよね。殺されるフランクもとぼけている。フランク達それぞれが真面目なんだけどとぼけている。設定がとぼけているんだよね。
アキ・カウリスマキ、2作目にして完全に自分のスタイルを確立したな。