紅の拳銃

くれないのけんじゅう A Killer without a Grave
上映日
1961年2月11日

製作国
日本

制作年
1961
上映時間
86分

レーティング
一般映画
ジャンル
アクション

check解説

田村泰次郎の原作小説(講談倶楽部連載)を「俺が地獄の手品師だ」の松浦健郎が脚色、「英雄候補生」の牛原陽一が監督したアクション・ドラマ。撮影は「俺の血が騒ぐ」の姫田真佐久。
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この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • ミャーノフ大佐

     赤木圭一郎の遺作とのこと。もし生きていたら、1970,80年代に脂がのって活躍していたろうなあ。それとも石原裕次郎のように太っていったかな。
     映画のストーリーは2転、3転してなかなか面白い筋だった。オリジナルではなく(「肉体の門」で有名な)田村泰次郎の原作があったんだ。ただ、映画のできとしてはそれほどでも。映画の視点が、前半は殺し屋の教育役の石岡から、中盤以降主人公中田(赤木圭一郎)に変わってくる。アクションシーンは相変わらず陳腐でしらけてしまうんだよなあ。
     ラストで中田が○○だったなんて、こんなラストどこかで見たよな。例えば同じ日活の「鷲と鷹」の三國連太郎や、全く違う映画だけど「アフタースクール」の最後なんかそうだ。映画の舞台が東京から中盤以降神戸に移る。神戸のヤクザと言えば○○をアイディアにしているのかと思いきや、香港系のギャングでした。香港系のギャングの親分が小沢昭一とは、笑ってしまう、と言うかびっくりしてしまうと言うか。それに対立する香港ギャングが藤村有弘、小沢栄太郎とは。特に藤村有弘のあの衣装はないでしょ。いくら何でもあんな格好で町中行動しないよ。小沢栄太郎にいたっては、中国なまりを話さず、普通の日本語で話している。さすがに小沢には頼めないかな。思わず、この映画ひょっとしたらコメディ?と言いたくなる。
     配役は上記の役者以外にも芦田伸介が日本側の悪役をやっている。芦田がこんな悪役をやるのは意外。彼のイメージはテレビドラマ「七人の刑事」の主役のイメージが強すぎて、渋い落ち着いた人間と思っていたので。
     あと、ヒロインの笹森礼子はあまり可愛くないかな。ちょっと顔が丸くて。香港ギャングの親分小沢昭一の妻役の白木マリって必殺シリーズの中村主水の奥さんだったんだ。

「紅の拳銃」のストーリー

クラブ「銀の城」--片隅に坐っていた石岡は、酒をあおっているニヒルな感じの男を見て、“俺が探していたのはこの男だ”とつぶやいた。石岡はかつて射撃の名手だったが、戦争で右腕を失ってからは悪の世界にとびこんでいた。命知らずの男を殺し屋に仕立ててボスに売りこむのが彼の商売なのだ。中田というその男は、殺し屋になることをあっさり引受けた。その時、女給の千加子が中田に助けを求めた。ギャングに殺されるという。中田はギャングを殴り倒した。中田の射撃の腕はみるみる上達した。石岡には菊代という盲目の妹がいた。中田は菊代に、同情した。神戸の大学病院に行けば治るかもしれないという診断だった。ボスの小寺が中田を買った。小寺は写真を出して、この女を消せと言った。女は千加子だった。干加子は神戸のボス陳万昌の情婦で、麻薬ルートの秘密を知っている彼女を陳は殺そうとして小寺に命じたのだ。中田と千加子の姿が消えた。小寺は裏切りを怒り、石岡に中田を殺すように命じた。中田と彼を追って神戸にきた石岡も、陳の罠にかかった。神戸の大学病院にきた菊代も監禁されてしまった。陳の弟・大隆が香港にいた麻薬王劉徳源を殺して帰ってきた。兄弟は、東京の小寺一派を消す相談をした。中田と石岡兄妹は砂丘に連れ出された。その時、三人の男が現われ大隆を乱射した。劉徳源がさし向けた殺し屋たちだった。劉は死んでいなかったのだ。劉は中田に味方になるよう頼んだ。劉の妻の張栄光は、かつての中田の恋人美津だった。劉一味は陳邸を襲った。凄惨な闘いの最中に千加子は陳を射って自殺した。陳も劉も倒れた。その時、警官隊がきた。中田は実は刑事だったのである。やがて、菊代の目も全治した。

「紅の拳銃」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「紅の拳銃」のスペック

基本情報
ジャンル アクション
製作国 日本
製作年 1961
公開年月日 1961年2月11日
上映時間 86分
製作会社 日活
配給 日活
レイティング 一般映画
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
カラー/サイズ カラー/シネスコ

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