監督が西河克己なんで傑作のはずがない。で、見終わって、ちゃんと駄作でした。第一に原作が敗戦後の日本の地方都市を舞台としているのだが、この映画は1963年で戦後20年近くも経っている。それを、原作のまま1963年に持ってきても話がずれている。もっと原作を大きく修正した脚本にすれば良かったのに。脚本の井手俊郎は1作目の「青い山脈」(今井正監督1949年版)から、リメイクされる度に脚本に加わっている。他の「青い山脈」は未見だが、こんな脚本ならいずれも駄作にならざる得ないでしょう。今井正版は戦後4年経った頃の映画で、戦後の雰囲気が出ていて、また民主化を謳っていて時代にマッチしていて、そこそこ面白かった。(主演が原節子というのも良かった)
本作はアイドル映画であり、日活のプログラムピクチャーなので、作れば客が来る、だったのだろう。
映画の冒頭、登校の時にオートバイに乗った吉永小百合がクラスメイトの自転車を倒してしまうのだが、これだけ見ると吉永小百合が悪い。他の生徒は自転車や徒歩なのに、なんで小百合さんだけバイクなの?貧乏と言っているけど、バイク通学できるんだ?などと余計なところに気が持って行かれる。
この映画、本当は2.7点なんだけど、往時の懐かしい役者たちがたくさん出ていて、懐かしみながら見ることが出来たので2.8点にした。
役者情報。映画の中で体育の教師をやっていた藤村有弘、この人はタモリが出てくる前に、すでに外国人のものまねをしていて面白かったんだよなあ。後で知ったことだけど、ゲイだったとか。でもあの時代は許されなかったんだよな。それから六助(浜田光夫)の友人役の男、存在感あるなあと思ったら高橋英樹さんではないですか。まだ主役を張る前だったんだな。それと新子(吉永小百合)の協力者の女子高生、可愛いと思ったら田代みどりだったんだ。殿山泰司と浜村純は気がつきませんでした。