眠狂四郎勝負

ねむりきょうしろうしょうぶ Adventure of Kyoshiro Nemuri
上映日
1964年1月9日

製作国
日本

制作年
1964
上映時間
82分

レーティング
一般映画
ジャンル
時代劇

check解説

柴田錬三郎の同名小説を「黒の駐車場」の星川清司が脚色、「巨人 大隈重信」の三隅研次が監督した時代劇。撮影は「眠狂四郎殺法帖」の牧浦地志。
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この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • ミャーノフ大佐

     三隅研次という監督は映画というものをよく知っているなあ。映像の作り方がすごく上手い。構図もしっかりしている。緊張感の必要な時には、きっちりとした構図で描き、緩和のシーンでは緩い構図にしている。例えば、勘定奉行演じる加藤嘉と眠狂四郎が蕎麦を食べ、表に出てそば屋の親爺と娘と談笑するシーン、から浪人が出てきて狂四郎と決闘シーンになる場面。これがシーケンスはひと繋ぎなのだが、緩和と緊張の切り替えが上手い。あるいは別のシーンで襖で縦に画面を割って、左側に人物を置いて会話をさせるシーン。細い路地をカメラで奥まで撮すシーン。完璧に構図を作っている。一歩間違えれば、眠狂四郎の気楽な浪人になるところを緊張感をたたえた映画にしている。
     前作の「眠狂四郎殺法帖」では眠狂四郎が単なる遊び人で浪人にしか描かれていなかったが、本作では雷蔵が醸し出すニヒリズムを存分なく出している。雷蔵は前作の眠狂四郎の失敗について自分のせいにしているが、これはもっぱら監督のせいであろう。やっぱり前作田中徳三監督との力量の差が歴然と出てしまった。
     加藤嘉がこんなに長く画面に出ているなんて珍しい。しかも良い役で、準主役と言っても良い出番の多さだ。高田美和はちょっとしか出てないけど可愛かったなあ。

「眠狂四郎勝負」のストーリー

愛宕神社の階段で参拝者の補助をする少年。少年の父は江戸で評判の武芸者であったが、道場破りの榊原に殺され、少年は境内の茶屋で寝泊まりしながら独り生きていたのだった。少年を不憫に思った狂四郎はたまたま知り合った老侍を立会人に道場破りを少年の父の流儀で打ち殺す。その夜居酒屋で老侍と酒を酌み交わす狂四郎。別れを告げ先に店の外に出た老侍は赤座軍兵衛と名乗る侍に襲われる。一向に風采のあがらないその老侍が朝比奈という勘定奉行の職にある男と聞いて助けに入った狂四郎は興味を唆られた。狂四郎の耳には幾つかの興味ある事実が入った。家斉の息女高姫は堀家に嫁ぎながら、早くから夫を失い奔放で驕慢な生活をしていること、そして、用人主膳は札差、米問屋などに賄賂とひきかえに朝比奈の抹殺を約していること。又赤座も朝比奈を狙っていること。等々。ある日、朝比奈を警護していた狂四郎を榊原の弟が敵と襲いかかる。そこに遊楽帰りの高姫の列が通りかかる。狂四郎はわざと高姫に榊原の槍が向かうように仕向けた。屋敷に戻り怒る高姫に主膳が朝比奈の企みだろうと吹聴する。そして朝比奈の命を奪えと命ずる高姫に策を講じていると告げる。主膳の命によりすぐりの殺人者が揃った。赤座、増子、榊原、海老名それに、キリスト教の布教に囚われている夫を救うため、主膳の膝下にある采女が加わっていた。動機も武術も異る五人は、狂四郎の身辺に危害を加えようと立ち廻った。ある日采女の妖しい魅力にひきつけられた狂四郎は飲んだ茶に毒を盛られ意識を失う。狂四郎は両手を縛られ、高姫の褥の傍に据えられた。動けぬ狂四郎を前に迫る高姫。狂四郎は彼女を罵倒し、騒ぎに飛び込んできた増子の手裏剣を逆に利用して屋敷を逃げ出すのだった。その後も手をかえ品をかえてせまってくる殺人者の中を、生きぬけた狂四郎に、全てを失敗した主膳は、狂四郎と柳生但馬守との御前試合を計った。狂四郎の刀に細工をし、抜けた白刃が朝比奈の胸を突くという計略であった。試合当日、冷い眼をすえる高姫の前で、抜けた狂四郎の白刃が貫いたのは主膳の一味の大口屋だった。敗北を認める高姫の口から、思わず浪人狂四郎を慕う言葉がもれた。が、なをもあきらめない主膳は、采女を囮りに狂四郎を狙っていた。殺気をはらむ武蔵野の枯野原を、対決の時は刻一刻と迫まっていった。十字架を模した木に縛り付けられている采女の元に駆けつけようとした狂四郎を矢が襲う。くぐり抜け采女を救い出した狂四郎を主膳とその配下、そして赤座と海老名が襲う。そして彼らを撃退した狂四郎に、駆けつけた朝比奈は落ち着いた生活をするように勧めるが、狂四郎は笑顔で断る。生き残った采女を残し狂四郎は立ち去るのだった。

「眠狂四郎勝負」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「眠狂四郎勝負」のスペック

基本情報
ジャンル 時代劇
製作国 日本
製作年 1964
公開年月日 1964年1月9日
上映時間 82分
製作会社 大映京都
配給 大映
レイティング 一般映画
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
カラー/サイズ カラー/シネスコ
音量 モノラル

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