解説
三島由紀夫の同名小説を「浅草の灯 踊子物語」の棚田吾郎と「真白き富士の嶺(1963)」の須藤勝人が共同で脚色「こんにちわ20才」の森永健次郎が監督した文芸もの撮影もコンビの松橋梅夫。
この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
原作が三島由紀夫で何度も映画化されているので、ストーリーはいじりようがないでしょう。後は、映像や編集、脚本でどのように作るかしかない。それにしてもこんな単純なストーリーとは。もっと波乱があるとか、ラストがひっくり返るとか。こんなストーリーじゃ本当に安いアイドル映画用じゃないか。
時々、ローアングルで撮っているカットがある。ああ、日活映画だなあ、と感じさせる。おそらく日活無国籍アクションでローアングルを多用しているので、そのまま青春映画にまで使ってしまったのか。あとカメラが必要以上に動きのが気になったかな。
舞台は伊勢湾入り口に浮かぶ小さな小島で、金持ち漁師の娘初江(吉永小百合)と貧乏漁師新治(浜田光夫)との純愛映画。まあ設定が小さな島の漁師の娘なんで、そんなに美人である必要はないし、むしろイモっぽい方が良いのかもしれないが、それにしてもイモ姉ちゃんだったな。その小百合さんが裸になるシーンがあるなんて。これで客を呼んだのかな。クレジットは小百合さんが一番目だけど、出番からいったら、浜田光夫が主演だよな。あと清川虹子が良い役をやっていた。それと灯台守の娘、なんか見たことあるよなあ、と思っていたら松尾嘉代だった。脇役陣達は、日活がロマンポルノに転向して東映の方に流れた人が多かったんだろうなあ。
思ってしまうのは、このストーリーでロマンポルノを作れば良かったのに。設定がいろいろ想像できる。三島側からOKがでないだろうけど。
「潮騒(1964)」のストーリー
歌島は伊勢海に面する周囲一里にもみたない小島である。そこでは、男達は漁に出、女達は海女となって貝をとった。漁師の息子新治は、今日も太平丸に乗って浜に帰ってきた。そこで新治は舟を引きあげようとする船主照吉の娘初江に会い、手をかして舟を引きあげてやった。新治は浜にあがると、山の手にある灯台長のところに魚を届けにいった。しかしそこで新治は、もらったばかりの給料を浜で落したことに気づき、あわてて引きかえした。浜には、そんな新治を、笑いながらも、給料袋をひろって家に届けてくれた初江がまっていた。家に帰っても新治は、初江の美しい瞳が忘れられなくなっていた。そんな新治の様子を察した母トミは、初江が高嶺の花であることを言いきかせた。だが新治は、初江のことを想いぼんやりする日が多くなった。そんなおり、弟の十吉から、初江の婿になるのは、東京の大学を出て島に帰って来た安夫だという噂を聞いた。ある日新治は林の中の“観的哨跡”でマムシにかまれた初江を助けてやり、漁の休みの日に再会を約した。やがて漁が休みの嵐の日に、二人は観的哨で会った。ずぶぬれになった二人は互いに着物を脱いで焚火をかこみ自然に唇が触れ合った。数日後初江は水くみにいった林の中で、安夫に襲れた。新治に好意を寄せる灯台長の娘千代子が、新治と初江の仲のいいのをみて、あることないこと安夫につげ口したのだった。噂は島中にひろがり、二人は会うことを禁じられた。しかし一人前の漁師になるために、歌島丸に乗りこんだ新治は、嵐の中を、海にとびこみ、ロープで船をつなぎとめて、船を救った。照吉も、もはや二人の仲をさこうとはしなかった。
「潮騒(1964)」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「潮騒(1964)」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 文芸 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1964 |
公開年月日 | 1964年4月29日 |
上映時間 | 81分 |
製作会社 | 日活 |
配給 | 日活 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |