懲役十八年 仮出獄

ちょうえきじゅうはちねんかりしゅつごく
上映日
1967年10月21日

製作国
日本

制作年
1967
上映時間
89分

レーティング
ジャンル
ドラマ

check解説

「ギャングの帝王」のトリオの石松愛弘と降旗康男が共同でシナリオを執筆し、降旗康男が監督した“懲役十八年”シリーズ第二作目で、撮影は仲沢半次郎が担当した。
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この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • ミャーノフ大佐

     東映映画だし映画のタイトルから、当然ヤクザ映画、しかも現代ヤクザ映画と思って観たら、なんと東映無国籍アクション映画ではありませんか。日活の専売特許と思っていたら東映でもこんな映画撮っていたのね。
     主演は梅宮辰夫辺りかと思ったら、安藤昇じゃあリませんか。御存じの方も多いと思いますが安藤昇は、かつて渋谷を中心に活動していた安藤組の組長だった人です。ヤクザから映画俳優になった人はそうはいないと思うし、まして組長が役者になるなんてまず他にはないのでは無いでしょうか。それに共演が伊丹十三、若山富三郎だ。若山は東映映画で活躍していたが、伊丹がこんな映画に出るなんてびっくりだ。また、伴淳三郎がシリアスな役で出てくるのも珍しい。松尾嘉代も出ているけど、殆ど男の映画と言って良く、彼女はお飾り程度の役で、演技もそんなにしていない。
     監督が降旗康男なので絵作りはしっかりしている。脚本は石松愛弘と降旗康男が書いていて、ストーリー展開はそこそこ面白いのだが、やっぱり(少なくとも当時の)日本ではギャング映画は無理なのかな。ディテールをもっとしっかり書いてほしかった。一番は、金塊を盗むところ。深夜にエレベーターの天井に登ってロープを伝って上の階に行くのだが、あれ、なんで階段じゃダメなの?そして目的の部屋に合鍵で侵入して金庫を開けるんだけど、途中、守衛が回ってきて、鍵の開いている部屋を不審に思って入ってくる。なんで、鍵をしめておかないの?守衛は鍵が開いているか、閉まっているかしか確認していないのだから。もし、守衛に見つからなければ、鞄の金塊だけ盗んで、鞄をそのままにしておけば犯行がばれるのが遅れたのに。それ後の展開は上手く作っている。ただ、ラストの銃撃戦はやっぱりお粗末なんだよなあ。当時ではこれが限界なのかなあ。
     若山富三郎はバイプレイヤーとして非情な悪役を見続けたので、この映画の子煩悩なキャラクターは物足りない。

「懲役十八年 仮出獄」のストーリー

服役成績が優秀なため、二年の刑期を残して仮出獄を許された郡司を、昔仲間で、口の不自由な金庫師木島が迎えた。木島は早速、日東化工が密輸入した金塊を奪取する計画を郡司にもちかけたが、郡司は二人では無理と、やはり昔の仲間の大宮を誘った。熔接工の大宮はかつての女との間に出来た武という子供があり、乗り気ではなかったのだが、医師から胃癌を宣告され、余命いくばくもないと知ると、郡司たちの仲間に加わったのである。日東化工の社長岩井はその背後に国際ギャング、ジャクソン一味を持ち、武器メーカーとしてベトナム戦争で儲けていた。郡司らの襲撃は成功、二億円近い金塊を奪った。一方、前田刑事が郡司の動きを追って日東化工を訪れたが、岩井は密輸金塊なので盗難届を出すわけにもいかない。そのうち、ジャクソンが来日、不始末を犯した岩井を殺してしまった。また金塊を奪った郡司たちは、それを捌こうにも買手がつかず、困っていた。そんな時に木島がジャクソン一味に捕まり、拷問を受けたが郡司に助けられるということもあり、郡司はその後、不敵にも金塊をジャクソンに売りつけようとしたが、勿論、決裂。郡司たちはギャング組織と真っ向うから対立することになった。やがてジャクソンは大宮の子供、武を誘拐するという手段に訴え、郡司を強迫して金塊と武とを交換させることにした。いまは郡司もやむなく、ジャクソンの指定通り、金塊を横浜港の突堤に運び、二組はそれぞれ金塊と人質を交換した。郡司は武の安全を見極めるとジャクソンを射ち倒し、それを機に突堤はすさまじい拳銃戦の場と化した。この戦いの中で大宮が倒れ、木島も倒れ郡司も弾を浴びた。しかし、郡司の最後の一弾が、金塊を積んだギャングのモーター・ボートを射抜いて炎上させたため、金塊は虚しく海底に沈んでいった。

「懲役十八年 仮出獄」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「懲役十八年 仮出獄」のスペック

基本情報
ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1967
公開年月日 1967年10月21日
上映時間 89分
製作会社 東映東京
配給 東映
レイティング
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
カラー/サイズ カラー/シネスコ

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