刑事物語 東京の迷路

けいじものがたりとうきょうのめいろ
上映日
1960年1月3日

製作国
日本

制作年
1960
上映時間
49分

レーティング
ジャンル
サスペンス・ミステリー

check解説

新しく登場した“刑事物語”シリーズの第一作。大和田健一の原作を、野々晃・小杉勇が脚色、「おヤエの女中の大将」の小杉勇が監督した。撮影は「夜霧の空港」の中尾利太郎。
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この作品のレビュー

ユーザーレビュー

  • ミャーノフ大佐

     この映画を観て最大の収穫は益田喜頓に出会えた事だ。益田喜頓の記憶は、小さい頃、中山千夏がまだ子役の頃に彼と親子の設定で舞台で演じていた記憶だ。でも、ウェキおじさんはこのことを述べていないので私の記憶違いかもしれない。益田喜頓は喜劇人なんだけど、なんか哀愁漂う喜劇人という記憶で、彼が名前をもらったバスター・キートンに通じるところがあるのかもしれない。
     この映画で益田喜頓は主人公で老齢で人情味のある刑事役を演じている。息子も刑事になっていて、同僚の南刑事が殺された事件を追って犯人を追い詰めていく、きちんとしたドラマだ。コメディの要素は全くない。この映画でも当時のドヤ街が撮されていて雰囲気が出ていて良い。「あしたのジョー」でも舞台はドヤ街だったよな。
     日活もメインどころ以外のフィルムはまともにないのか、あるいはきちんとデジタル化する気がないのか、YouTubeの【公式】日活フィルム・アーカイブで公開した映像は画角が小さく、ブローアップをしていない。小さい画面で見たのは残念だ。もっときちんとした画面で観られたら点数も上がっていただろうに。
     そうそう、ラストで情報屋が殺されて、息子の刑事が「かわいそうなことをした。」というと、父親の刑事(益田喜頓)が「仕方がないよ。拳銃を売っていたんだからね。」という台詞があるが、相手が死んでしまうとこんな事いうのか、と。人情家なんだからもっと違う台詞をつければ良かったのに。
     あと、浜村純だね。この映画の頃でもう50歳を過ぎていたんだ。まさかの準主役とは思わなかったし、彼がこんな役を演じるとは。でも存在感はあった。
     ところで【公式】日活フィルム・アーカイブで「ギターを持った渡り鳥」、「おヤエのママさん女中」、本作と見せてもらったんだけど、全て1959年製作だ。ずいぶん後ろの映像が違うなあ。

「刑事物語 東京の迷路」のストーリー

ドヤ街近くで城南警察署の南刑事が殺害された。警察学校で南刑事と同期だった若い佐藤保郎刑事は、警視庁から派遣されて早々に、意気ごんでこの事件ととりくんだ。殺気だってはやる彼の表情を、同じ警察署に勤める老練な、保郎の父親佐藤源造刑事がやさしく見守っていた。相捧吉川刑事とドヤ街に乗りこんだ保郎は、ハジキ売人村西五郎を強引に逮捕して、拳銃からネタを割ろうとしたが失敗した。保釈となった村西を尾行しながら、保郎は水田という株狂いのドヤ住人に会った。水田は、南刑事殺害現場に落ちていたのと同じイヤリングを見せた。それはバー・セコンドの女給マリのものだった。マリはあっさり南刑事殺しを自白し、動機は君塚秀夫との結婚を反対されたからだと言った。だが、老練な佐藤刑事はこれをクサいと思った。君塚は南刑事によって更生させられた男なのである。しかし、南刑事殺しに使われた弾丸の口径は、君塚の持っていたコルトのものとぴったり合った。君塚とマリは互いにかばい合っていた。佐藤刑事は、マリが南刑事と会っていた時に、君塚の拳銃は結婚資金にかえるため小淵という男の手に、売却方をたのんで渡されていたのをつきとめた。すると、マリと会っていた南刑事を撃ったのは小淵に違いない。佐藤刑事は小淵を尾行した。けれど、路上でトラックに妨害され、小淵の姿は消えた。君塚をつれた保郎は、小淵が夜明けの五時に線路小屋で誰かと会って金を貰うんだと言っていたとの情報を得た。その頃、その線路小屋で待つ小淵の前に、一人の男が現れた。それは、水田だった。彼は金を払うと同時に、油断した小淵を射殺した。そして、南刑事を殺し、マリに罪をきせようとしたのは自分だとあざ笑った。その銃声で、佐藤刑事親子や君塚は、線路小屋にかけつけ、水田を逮捕した。緊張から解放された刑事親子は、なごやかに顔を見合わせた。

「刑事物語 東京の迷路」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「刑事物語 東京の迷路」のスペック

基本情報
ジャンル サスペンス・ミステリー
製作国 日本
製作年 1960
公開年月日 1960年1月3日
上映時間 49分
製作会社 日活
配給 日活
レイティング
アスペクト比 シネマ・スコープ(1:2.35)
カラー/サイズ シネスコ

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