解説
「歌麿をめぐる五人の女(1959)」の木村恵吾が自らの脚本を監督した狸御殿映画。撮影も「歌麿をめぐる五人の女(1959)」の今井ひろし。主な出演者は「浮かれ三度笠」の市川雷蔵、「美貌に罪あり」の若尾文子、勝新太郎。
この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
こんな物にお金をかけるなんて。このお金で、普通の映画、何本撮れただろう。どうも大映のミュージカルらしいんだけど、ストーリーが殆ど無くてどうでも良いシーンの連続。市川雷蔵ショーでも見せているのかな。あるいは、よく新宿コマなんかでやっていた演歌歌手の歌とお芝居のショーみたいなもの?あるいは、今だったら配信ライブを後で観るような感じ?
ほぼ全編セットで撮っている(ロケのシーンはあったかな?)。大映太秦の撮影所にでっかいセットを作ったのでしょう。撮影所の一棟全てがこの映画のセットになったことだろう。大道具、小道具の人達もセットを作るのに大変だったことでしょう。で、総天然色、シネスコサイズとお金かけまくっている。出演している役者は、当時大映のスター、市川雷蔵と勝新太郎、若尾文子は当時大映でどのくらいの位置にいたのだろう。最も勝新の出番は少ないが。雷蔵は今まで観てきた映画とイメージが違って二枚目優男になってしまっている。こんな雷蔵、観たくない。雷蔵も会社のためだから出たんだけど、内心はどうだったのでしょう。
雷蔵と若尾の踊りのシーンを延々と見せられてもなあ。別にそんなシーン見たくもないし、民謡で踊るシーンが何曲も続くけど、おんなじ様なシーンをずっと見せられても退屈するだけだよなあ。当時の観客は、自分の住んでいる地方の民謡が出てきて喜んだのかなあ。
それにカッパの役で上半身フルヌードの女性が登場するんだけど、これだと家族揃って正月映画観に行くって出来ないよね。子供に見せられないよね。大映の総力挙げてエロを入れた娯楽映画だけど、家族映画じゃないでした。女の人もいやじゃないかな。
無価値の映画だけど、総天然色だから少し加点して1.5点。
「初春狸御殿」のストーリー
狸の国、カチカチ山の村娘お黒は大の孝行者だ。父の泥右衛門がカチカチ山で兎にしてやられた火傷の古きずの手当てに薬を売りに来る栗助を、憎からず思っていた。栗助もお黒が好きだった。ある日、猟師に追われて森へ逃げ出したお黒と泥右衛門は、番傘に化けた。同じく逃げこんできた狸御殿の腰元たちが、折からのにわか雨にこの番傘をさして帰った。狸御殿では、隣国の若君狸吉郎がきぬた姫との見合いにやって来るというので大騒ぎ。しかしきぬた姫は人間の夫を持ちたいと狸吉郎の到着と同時に人間社会へ家出してしまった。老女の狸路はお黒がきぬた姫と瓜二つなのを利用し、お黒を姫の身代りに立てた。狸吉郎はこのお黒にすっかり魅せられてしまった。きぬた姫の行方は一向に分らなかった。狸吉郎とお黒の恋愛はどんどん進行した。家老の狸右衛門は、お家安泰のために結婚させようと決心した。ところが、姫が人間たちから相手にされず悄然と狸の国へ帰って来たのだ。泥右衛門はいま帰られては折角の玉のコシがと、姫の帰路を襲った。これを知ったお黒は、姫の姿に代り、泥右衛門の一刀を浴びた。しかしお黒も栗助の薬で奇跡的に助かった。かくしていまはしとやかな娘に帰ったきぬた姫と狸吉郎、お黒と栗助という二組の祝言がめでたく取り行われることになった。
「初春狸御殿」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「初春狸御殿」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | ファンタジー |
製作国 | 日本 |
製作年 | 1959 |
公開年月日 | 1959年12月27日 |
上映時間 | 84分 |
製作会社 | 大映京都 |
配給 | 大映 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
音量 | モノラル |
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