まあだだよ

まあだだよ
上映日
1993年4月17日

製作国
日本

制作年
1993
上映時間
134分

レーティング
一般映画
ジャンル
ドラマ

check解説

『百鬼園随筆』などの随筆家・内田百けんとその門下生たちとの心のふれ合いを様々なエピソードで綴るドラマ。「八月の狂詩曲」(91)に続く黒澤明監督の三十作目であり、「姿三四郎(1965)」でデビュー以来監督生活五十周年目という記念すべき作品。結果黒澤監督の遺作となった。また「影武者」以来演出補佐を務めた名パートナー・本多猪四郎はこの作品を最後に本年二月二十八日死去した。主人公の先生役には「どですかでん」以来の黒澤作品出演となる松村達雄が扮し、また門下生の一人として所ジョージが黒澤作品に初出演をして話題となった。キネマ旬報ベストテン第十位。
映画館で観る
配信で観る
Blu-ray&DVDで観る
  • 【DVD】まあだだよ デジタル・リマスター版

  • 【BD】まあだだよ Blu-ray

  • 【DVD】まあだだよ

  • 【DVD】まあだだよ デラックス版

TVで観る

ユーザーレビュー

「まあだだよ」のストーリー

昭和一八年の春。先生は生徒たちへ、作家活動に専念するため、学校を去ることを告げた。生徒たちは『仰げば尊し』を歌い敬愛する先生を送る。退職後に引っ越した家にも、高山、甘木、桐山、沢村ら門下生たちが遊びにやって来る。といっても皆、中年のいい大人なのだが。ある日、先生の家で還暦の祝宴が開かれた。先生と奥さん、門下生たちの馬鹿鍋を囲みながらの楽しい会話が弾むが、戦時下のこと、空襲で水をさされてしまう。先生の家は空襲で焼けてしまい、知人の厚意で貸してもらった、三畳一間の堀建小屋暮らしを余儀なくされる。先生と奥さんは狭いこの小屋で夏、秋、冬、春……三年半を暮らす。昭和二一年の晩春、門下生たちの画策で第一回『摩阿陀会』が開かれた。元気な先生はなかなか死なない、そこを洒落で死ぬのは『まあだかい?』というわけだ。吉例となっていくビールを飲み乾して先生は『まあだだよ!』と答える。宴会は盛り上がり、混乱の極致である。門下生たちの尽力で新しい家ができた。先生はお礼の申しようもないと感謝し、幸せそうである。猫を抱いた奥さんも嬉しそうだ。ある日、先生もお気に入りの猫、ノラがふいに失踪する。以来先生は哀しみにくれる毎日を過ごす。ノラを捜す周囲の人たちの善意に、先生の胸は感激でいっぱいになった。昭和三七年、晩春。第十七回の『摩阿陀会』。先生の髪は白くなり、門下生たちは子供や孫を同伴しての出席である。先生は小さな子供たちへ言葉を贈る。『みんな、自分が本当に好きなものを見つけて下さい……』。途中で体調をくずした先生は、門下生に付き添われて家へ帰る。布団の中で眠る先生は、なんだか楽しそうな顔をしている。先生は夢を見ているらしい。

「まあだだよ」のスタッフ・キャスト

スタッフ
キャスト役名

「まあだだよ」のスペック

基本情報
ジャンル ドラマ
製作国 日本
製作年 1993
公開年月日 1993年4月17日
上映時間 134分
製作会社 大映=電通=黒澤プロダクション作品(製作協力*徳間書店)
配給 東宝
レイティング 一般映画
アスペクト比 アメリカンビスタ(1:1.85)
カラー/サイズ カラー/ビスタ
音量 ドルビー

関連するキネマ旬報の記事

関連記事一覧
2009年4月下旬号 監督・市川準「buy a suit スーツを買う」公開に寄せて 映画作家の最後の作品には何が映ったか? 黒澤明「まあだだよ」
1992年3月下旬号 ルポ 黒澤明監督全発言報告「まぁだだよ」記者会見より
1992年5月下旬号 撮影ルポ 「まぁだだよ」
1993年4月下旬号 巻頭特集 まあだだよ 黒澤明監督のこのヒューマン・ノスタルジィ
巻頭特集 まあだだよ 対談 松村達雄vs増淵健
巻頭特集 まあだだよ 黒澤明と「まあだだよ」
巻頭特集 まあだだよ 所ジョージ インタビュー
巻頭特集 まあだだよ 油井昌由樹 インタビュー
巻頭特集 まあだだよ 本多猪四郎と黒澤映画
巻頭特集 まあだだよ 黒澤作品における師弟愛の系譜
1993年5月下旬号 日本映画紹介 まあだだよ
1993年6月上旬号 日本映画批評 まあだだよ