世界中がアイ・ラヴ・ユー
せかいじゅうがあいらぶゆー Everyone Says I Love You
解説
ニューヨークの超リッチな弁護士一家を中心とする人々の恋愛模様を、四季を通じて綴ったミュージカル・コメディ。監督・脚本・出演は「誘惑のアフロディーテ」の才人ウディ・アレン。製作は「アニー・ホール」以降アレンの全監督作品で組むロバート・グリーンハット。撮影は「ハンナとその姉妹」以来ほとんどの作品で組むイタリアの名匠カルロ・ディ・パルマ。美術のサント・ロカストは「ラジオ・デイズ」以来、編集のスーザン・E・モースは「マンハッタン」以来、衣裳のジェフリー・カーランドは「ラジオ・デイズ」以来、それぞれアレンと組む常連。出演は「マンハッタン殺人ミステリー」のアラン・アルダ、「スクリーム」のドリュー・バリモアほか。タイトルになった、バート・カルマーとハリー・ルビーの同名曲(マルクス兄弟の「ご冗談でショ」より)をはじめ、レイモンド・クレジズとジェシー・ギーアの『ジャスト・ユー、ジャスト・ミー』(ナット・キング・コールの歌で有名)、ウォルター・ドナルドソンとガス・カーンの『メイキン・ウピー』、「お熱いのがお好き」でマリリン・モンローが歌ったガス・カーン、ファッド・リヴィングストンの『アイム・スルー・ウィズ・ラヴ』、マット・マルネック、コール・ポーターの名曲『ルッキング・アット・ユー』など、ディック・ハイマン指揮、ニュヨーク・スタジオ・プレイヤーズ演奏による、スタンダード・ナンバーや映画ミュージカル曲が聴き物。97年キネマ旬報外国映画ベスト・テン第10位。
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この作品のレビュー
ユーザーレビュー
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ミャーノフ大佐
この映画も公開時に観ています。
ウディ・アレンの楽しいミュージカル映画。出演者が豪華すぎ。
彼の映画にゴールディ・ホーンとは驚き。彼女、セクシーで少しおつむの弱い感じで売り出していたから。(ウディ・アレンは彼女も狙っていた?)
ゴールディ・ホーン、アラン・アルダ、ドリュー・バリモア、エドワード・ノートン、ウディ・アレン、ジュリア・ロバーツ位で話は回っているかな。ナタリー・ポートマンが出ているのにほとんど存在感なし。一方、ティム・ロスはそんなに出番はないけど、面白い役で出ていた。
映画の中で共和党をこき下ろしていたけど、民主党への皮肉ともとれる。まあ、ウディ・アレンのようなNYのエスタブリッシュメントは民主党支持だろうけど。
ラストのゴールディ・ホーンのダンスは良かった。吊られて着地しながら踊り続けるのはすごいと思った。
さて、アラン・アルダは御存じでしょうか。「ER」でもどこかのシーズンで出ていたけど、私としてはテレビドラマ版の「マッシュ」です。彼は主人公をやってました。ずーっと観ていました。
もちろん映画版ロバート・アルトマン監督「M★A★S★H マッシュ」も最高です。
「世界中がアイ・ラヴ・ユー」のストーリー
春爛漫のニューヨーク。ホールデン(エドワード・ノートン)が恋人のスカイラー(ドリュー・バリモア)に歌いかけると、街中が歌い、踊り始める。スカイラーの義理の妹ジュナ、通称DJ(ナターシャ・リオン)はパーク・アヴェニューのペントハウスに住む超リッチな一家。継父のボブ(アラン・アルダ)は弁護士、母ステフィ(ゴールディ・ホーン)は資産家の娘で社会活動家。実の父のジョー(ウディ・アレン)は作家でパリに住んでるが、しょっちゅうニューヨークに戻ってくる。今度も女性にふられたばかりで、親友のボブとステフィに泣きつきにきている。ボブはリベラルな民主党支持者、ステフィはさらにひどい罪悪感つきのリベラルな民主党支持者で奉仕と社会運動に大忙し、なのに弟のスコット(ルーカス・ハース)はウルトラ保守主義者の共和党派で、ボブと喧嘩が絶えない。ボブとステッフィにはレイン(ギャビー・ホフマン)とローラ(ナタリー・ポートマン)の双子がいる。二人とも街でよくすれちがう男の子にゾッコン。ホールデンは高級宝石店のハリー・ウィンストンで婚約指輪に買う。彼はレストランのデザートに指輪を乗せて出させたのだけど、スカイラーは指輪ごと食べてしまう。あわてて病院にかつぎ込むと幸いすぐ取れる場所だということ。夏、毎年8月はヨーロッパで父のジョーと過ごすのだけど、ジョーはまだ失恋の痛手がいえず、今年はパリでなくベネチア。ジョーは同じホテルに泊まっているヴォン(ジュリア・ロバーツ)が気になる様子。DJの親友の母が精神科医で、なんと彼女はその患者。いつもセッションをのぞき見しているので、彼女の悩みも秘密も全部わかっている。ヴォンは美術史家、俳優で教養のない夫との結婚は不満だらけ。そこでジョーに彼女の願望いろいろ吹き込み、ジョーはその通りを実行して彼女の心をつかんでしまう。一方DJは素敵なゴンドラ漕ぎの詩人と恋して、来年一月に結婚する約束を。だけどニューヨークに帰ると、空港でケンという最高にセクシーな彼に会って婚約は解消。一方、レインとローラは夏休みで無人の町で例の男の子と友達になる。しかも彼はあの億万長者の御曹司なのだ。秋、スカイラーとホールデンの結婚は11月に決まる。母ステフィの誕生日、特別ゲストは、ステフィの嘆願運動で保釈されたばかりの凶悪犯チャールズ・フェーリー(ティム・ロス)。ホールデンの父(デイヴィッド・オグデン・スティアーズ)は怪訝な顔を。果たして、チャールズの猛烈なアタックに、結婚間近のスカイラーは恋に落ち、婚約を破棄。一方ローラは例の男の子がレインが好きだと言われて失恋。スカイラーとチャールズは紅葉の森にドライブに行くが、そこに刑務所から脱獄したばかりのチャールズの仲間が合流、美しい紅葉の下で警察に追われて大カーチェイスに、スカイラーは恋人についていけなくなる。ハロウィーン、子供達がうちのドアを叩いてはそれはこりまくった仮装ショーを見せて行く。そして悪魔の扮装でやってきたホールデン、彼はスカイラーを愛するあまり、チャーリーとのこともまったく気にならないのだ。一方、DJはケンと別れて、ラップ歌手と恋に落ちた。さてパリでは、ついにヴォンがジョーと同棲を始める。ジョーは住み慣れた左岸のアパートを引き払い、ヴォンの夢見ていた通りのモンマルトルのアパートに引っ越していた。感謝祭でスコットが突然倒れる。けい動脈の異常で一年ほど前から脳に十分酸素が行きにくくなっていたのだ。最近息子さんの言動に異常があったとしたら、そのせいですといわれ、ボブには思い当たるフシが。果たして回復したスコットは、バリバリのリベラルになった。冬、クリスマスは毎年パリのリッツで過ごすのが一家の恒例。イヴの晩、ジョーがヴォンが夫のところに帰ってしまったと泣きつきにくる。彼がすべての夢想をかなえてくれたとたん、夫との生活に悩みがなくなったというのだ。その夜はシネマテーク・フランセーズで“グルーチョ・マルクス・パーティー”がある。風邪をひいたボブの代わりにジョーがステフィをエスコート。二人は思い出話に花を咲かせ、パーティーを抜け出す。ジョーが彼女を連れて来たのは思い出のセーヌの橋のたもと。お互いに結婚していたときより今の方が仲のよい、かけがえのない相手であることを確かめ合う。一方シネマテークの“グルーチョ・パーティー”で、DJは最高の彼に出会った。
「世界中がアイ・ラヴ・ユー」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「世界中がアイ・ラヴ・ユー」のスペック
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