解説
男性社会に反発して独立した2人が奇想天外な発想で奮闘する姿を描いた、コミカルなサクセス・ストーリー。ヘナロ・プリエトの小説に基づく映画『L'Associe』(日本未公開)を、「私がウォシャウスキー」のニック・ティールの脚本、「ラブリー・オールドメン」「リッチー・リッチ」のドナルド・ペトリーの監督でリメイク。製作は「わかれ路」のフレデリック・ゴルチャンと「クイック&デッド」のパトリック・マーキー、「いまを生きる」のアダム・リープジク、製作総指揮は「陽のあたる教室」のスコット・クルーフ、テッド・フィールド、ロバート・W・コート、デイヴィッド・マッデン。ウォール街の実景をたっぷり取り入れた撮影は「くちづけはタンゴの後で」のアレックス・ネポムニアスキー、音楽はクリストファー・ティング、美術は「シェフとギャルソン、リストランテの夜」のアンドリュー・ジャックネス、編集は「ラブリー・オールドメン」のボニー・コーラー、衣裳はエイプリル・フェリー。作中の見どころである、主演のウーピー・ゴールドバーグを男に変身させる変身特殊メイクは「ミセス・ダウト」のグレッグ・キャノン。主演は「僕のボーガス」のウーピー・ゴールドバーグと「バードケージ」のダイアン・ウィースト。共演は「ジキル博士はミス・ハイド」のティム・デイリー、「ピノキオ」のベベ・ニューワース、「フォエバー・フレンズ」のレイニー・カザン、「マンハッタン・ラプソディ」のオースティン・ペンドルトン、「あなたに逢いたくて」のイーライ・ウォラックら。
ユーザーレビュー
「チャンス!(1997)」のストーリー
ローレル(ウーピー・ゴールドバーグ)はウォール街の大手投資信託会社に勤める有能な金融アナリスト。的確な投資アドバイスで顧客や同業者からも絶大な信頼を得ている彼女だが、同僚のフランク(ティム・デイリー)にだまされ、昇進を横取りされてしまった。怒った彼女は「男の下で働くなんてまっぴら」と会社を辞め、独立を決意。父の遺した小さなアパートを担保に女性銀行で融資を受け、ローレルはたった1人で投資会社を始めるが、あっという間に挫折する。それまで彼女のおかげでさんざん儲けたのにも関わらず、投資家たちは冷たかった。意外にもそんな彼女の救いの女神となったのは、日頃からフランクにこき使われていた万年秘書のサリー(ダイアン・ウィースト)。ローレルの苦境を見かね、秘書同士のコネを使って大物投資家ファロン(イーライ・ウォラック)にアポイントを取ってくれたのだ。ようやく会えたファロンだったが、相手が女性と分かるや耳を貸そうともしない。困った彼女はとっさに「ロバート・S・カティという男性のビジネス・パートナーがいます」と嘘をつき、ファロンの信用を勝ち取って15万ドルの取り引きを成立させた。さっそくローレルは67歳の白人資産家エアーズなる架空の男性をパートナーに据えた信託会社を開設する。会社に見切りをつけて秘書を買って出たサリーは情報処理の能力に素晴らしい才能を発揮し、ローレルにとってなくてはならない存在になる。経営危機に陥ったコンピュータ・ソフト会社の情報を入手したローレルは、ファロンの投資顧問カミール(ベベ・ニューワース)を介して情報を流し、ファロンに莫大な利益をもたらす。さらにゴルフ狂の投資家メイソン(レイニー・カザン)とのコンペにプロ・ゴルファーを伴って即座に商談を成立させるなど、次々に鮮やかな手腕を発揮し、会社は順調に業績を伸ばす。謎の人物カティはウォール街の噂となり、伝説的な人物となる。その勢いを恐れるマンチェスター(ジョージ・マーティン)は、腹心のフランクにカティの弱みを探るよう命じた。瞬く間にローレルのオフィスには大物投資家たちが訪れるが、いつも国際会議や出張中だった。今や作戦は完全に成功したが、全ての功績がカティのものだと思うと心境は複雑だった。そんな時、会社を愛する社長イソップ(オースティン・ペンドルトン)の人柄にひかれ、破産寸前の会社を救ったことで、証券取引委員会がカティにインサイダー取り引きの疑いをかけ、呼び出しを命じた。切羽詰まったローレルはゲイクラブで働く友人の力を借り、白人男性に変装して白人男性専用のクラブでの会合に臨む。居並ぶ委員会男性たちの前でマスクをはぎ取り、カティの正体が自分であることを明かすローレル。インサイダー取り引きの疑いは晴れ、ピンチを乗り切ったローレルとサリーの顔は晴れやかだった。
「チャンス!(1997)」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|

「チャンス!(1997)」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | ドラマ |
製作国 | アメリカ |
製作年 | 1997 |
公開年月日 | 1997年9月27日 |
上映時間 | 113分 |
製作会社 | インタースコープ・コミュニケーションズ作品(製作協力*フレデリック・ゴールチャン‐ルネ・ゲインヴィル・プロ/ポリグラム・フィルムド・エンターテインメント提供) |
配給 | ギャガ・コミュニケーションズ=ヒューマックス・ピクチャーズ |
レイティング |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
1997年9月下旬号 | COMING SOON【新作紹介】 チャンス! |
1997年10月下旬号 |
特集 チャンス! 作品評 特集 チャンス! ウーピー・ゴールドバーグと「チャンス!」 |
1997年11月上旬号 | 外国映画紹介 チャンス! |
1997年12月上旬号 | 劇場公開映画批評 チャンス! |