解説
誘拐された受験生の中学生と誘拐犯一家の奇妙な交流を描いたコメディ。監督・脚本はテレビ畑出身で本作が映画デビューとなるチェン・ユーシュン。製作は台湾ニューウェーヴの功労者である「恋人たちの食卓」のシュー・リーコンと、チェンの元上司で『村と爆弾』(特別上映のみ)などの脚本家でもあるワン・シャウディーの共同。製作協力は台湾を代表する監督のワン・トン。撮影はリャウ・ペンロン、音楽はユー・クワンエン、美術はチャン・ダイ、編集はチェン・スンチャンとレイ・ツェンチンの共同、録音はヤン・チンアンがそれぞれ担当。出演は新人のリン・ジャーホン、テレビの子役であるシー・チンルン、『浮草人生』(特別上映のみ)の監督でもあるリン・チェンシン、本作で95年度金馬奨助演女優賞を受賞した『村と爆弾』のウェン・イン、「好男好女」のプロデューサーで「憂鬱な楽園」にも出演しているリェン・ピートン、「悲情城市」のヴェテラン女優アピポーほか個性的なキャストが顔をそろえる。2019年8月17日よりデジタルリストア版が公開。2024年7月20日より『台湾巨匠傑作選2024』にて劇場上映(配給:オリオフィルムズ)。
ユーザーレビュー
「熱帯魚」のストーリー
台北。統一入学試験を間近に控えたツーチャン(リン・ジャーホン)は夢見がちな少年。深夜ラジオの「キング・サロモンの伝説」に投稿したり、バス停で一緒になる好きな女の子(ファン・シャオファン)にラヴレターを書いてみたりと空想に浸る毎日。そんなある日。ゲームセンターで親友のウェイリー(リャン・ティンユァン)と煙草を吸っていた二人は刑事風の男(チェン・ムーイー)につかまり、あやしげな訊問を受ける。翌日。家に戻るとテレビのニュースでは、その男が昼間連れ歩いていた少年タウナン(シー・チンルン)が誘拐されたと報じられていた。最後の模試が終わった夜。街をふらついていたツーチャンは、コンビニで見覚えのある誘拐犯の手下を見つけて、そのトラックの荷台に乗り込む。そこにはあの男とタウナンがいて、ツーチャンは殴られ気絶、目覚めると彼もどこかの汚い小屋に転がされていた。主犯の男が身代金を取りに行っている間、二人を手下の優しい男アケン(リン・チェンシン)が世話してくれた。だが、実は元刑事のボスは身代金の受取の場所で張り込んでいた昔の仲間に話し掛けられて退散、帰りがけに交通事故で死んでしまった。ニュースでそれを知ったアケンは途方に暮れたあげく、叔母一家が待つ南の村・東石に二人を連れてきた。満潮になると浸水する家で、風変わりなアケンの家族に囲まれた奇妙な生活がはじまった。アケンからことの次第を聞かされた露店の蛇娘が商売の叔母アイー(ウェン・イン)は、夫のヒョン(リェン・ピートン)やアケンの弟のヘン(チェン・イファン)、妊婦なのに跳びはねるのが好きな娘のミンツー(ワン・フォイフェン)とその夫(チェン・チンツァイ)を巻き込んで取引の算段を考えるが、いい智恵が浮かばないまま日々が過ぎる。誘拐されたことも忘れて、清楚で無口な働き者のアケンの妹チュエン(ファン・メイウェン)に恋心を抱きながら、束の間のバカンスを楽しむツーチャン。一方テレビは連日ツーチャンの誘拐事件を報道、彼が無事受験できるかで大騒ぎ。アケンはツーチャンが受験生と知るとチュエンが使った参考書を彼に与え、かいがいしく勉強の世話を焼く。受験まであと数日。警察の目から逃れるため、アケンはツーチャンとタイナンを連れてボロ船で海へ出た。受験前日の朝、彼らは素晴らしい夜明けを楽しんだ。時間が迫り、船も壊れて焦ったアケンはツーチャンを浮き輪に乗せて泳いで港に帰還。待ち受けた家族に近寄ったのが、張り込み中、腸詰め賭けで暇潰ししていた若い警官二人組。ツーチャンは「この人たちが僕らを助けてくれた」と嘘をつく。一家に見送られ、台北へ送られたツーチャンはチュエンからの手紙を読む。かつて夢見る少女だった彼女は、兄のアケンに学校を辞めさせられ、働きに出た先の工場で男に玩ばれたのだ。彼女の贈りものは今は台湾でも見なくなった熱帯魚だった。
「熱帯魚」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「熱帯魚」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | コメディ 青春 |
製作国 | 台湾 |
製作年 | 1995 |
公開年月日 | 1997年4月5日 |
上映時間 | 108分 |
製作会社 | 中央電影公司=稲田電影工作室作品 |
配給 | オフィスサンマルサン=アジア映画社 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
公式サイト | https://taiwan-kyosho.com |
コピーライト | (C) 2011 Taiwan Film and Audiovisual Institute. All rights reserved. |
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