解説
架空の戦後の東京を舞台に、政府の策略に翻弄される優秀な兵士とゲリラの少女との愛を描いたSF長編アニメーション。監督は、本作が初監督作となる沖浦啓之。「Talking Head トーキングヘッド」の押井守が自らの原作を基に脚色。撮影監督に「スペーストラベラーズ」の白井久男があたっている。声の出演は、「Talking Head トーキングヘッド」の藤木義勝と「PiCNiC」の武藤寿美ら。ベルリン国際映画祭、ファンタスポルト、ブリュッセル国際ファンタジー映画祭、シンガポール国際映画祭、アヌシー国際アニメーションフェスティバル、ストックホルム国際映画祭、ロッテルダム国際映画祭出品、第54回毎日映画コンクール・アニメーション映画賞、ゆうばり国際ファンタスティック映画祭2000・南俊子賞受賞作品。
映画館で観る
配信で観る
TVで観る
ユーザーレビュー
「人狼 JIN-ROH」のストーリー
決定的な敗戦から十数年が経った昭和30年代。首都・東京では、政府の強引な経済政策によって失業者と凶悪犯罪が急増していた。その為、政府は反政府勢力を掌握すべく、国家公安委員会直属の実働部隊・首都圏治安警察機構、通称首都警を設置した。だが、反政府勢力と市街戦を展開しながら治安の番人としての栄誉を独占した首都警は急速に勢力を拡大。その結果、激しい世論の指弾を浴び、孤立を深めつつあった。そんな首都警の特機隊に属す伏は、感情を切り捨て闘争本能のみで生きる狼のような隊員として活躍を続けていた。ところが、赤ずきんなるセクトのメンバーを追跡中、彼は爆弾の運び役をしていた未成年の少女・七生を追いつめながら、一瞬の躊躇いから目前で彼女の自爆を許してしまう。そして、そのことが問題となり彼は査問委員会にかけられ、養成校に戻されるのであった。それから数日後、七生の墓に詣でた彼は、そこで彼女にそっくりな姉・圭と出会う。事件以来、七生の姿が脳裡から離れることのなかった伏は、その後、彼女と度々会うようになり、ふたりはいつしか惹かれ合っていくのであった。ところが、実は圭は七生の姉ではなく、伏の唯一の友人である公安部の辺見が雇った囮だったのである。辺見は七生と同じセクトの元メンバーの彼女が伏と密会しているところを警察に押さえさせ、それをスキャンダルとしてマスコミに売り首都警を解散に追い込もうとしていたのだ。だが、そのシナリオは首都警特機隊副長の半田が対諜報部隊として組織された人狼というグループに、既に先読みされていた。そして、伏もその一員だったのである。彼は、騙されたフリをして逆に公安部や警察庁を騙していたのだ。辺見を初めとする首都警解散を企む人物を次々に殺していく伏。しかし、彼は狼として捨てた筈のある感情から圭だけは殺せなかった。それは、愛…。だが、それを組織が許す筈はなく、彼女は伏の腕の中で人狼のメンバーが放った凶弾に倒れてしまうのであった。
「人狼 JIN-ROH」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|

「人狼 JIN-ROH」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | ファンタジー |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2000 |
公開年月日 | 2000年6月3日 |
上映時間 | 98分 |
製作会社 | バンダイビジュアル=ING作品 |
配給 | バンダイビジュアル=メディアボックス |
レイティング | PG-12 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | DTS |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
2000年6月下旬号 |
巻頭特集 「人狼 JIN-ROH」監督・沖浦啓之 日本映画界の若き異能 現代アニメーションの到達点 沖浦啓之(監督) インタビュー 巻頭特集 「人狼 JIN-ROH」監督・沖浦啓之 日本映画界の若き異能 現代アニメーションの到達点 沖浦啓之という才能を語る 押井守(映画監督)、谷口守泰(アニメアール代表)、北久保弘之(演出家)、士郎政宗(漫画家) 巻頭特集 「人狼 JIN-ROH」監督・沖浦啓之 日本映画界の若き異能 現代アニメーションの到達点 日本のアニメーションの現在 巻頭特集 「人狼 JIN-ROH」監督・沖浦啓之 日本映画界の若き異能 現代アニメーションの到達点 作品評 |
2000年8月下旬夏の特大号 | 劇場公開映画批評 人狼 |
2000年11月上旬特別号 | 日本映画紹介 人狼 JIN-ROH |