解説
江戸・深川の岡場所を舞台に、遊女たちの逞しくも哀しい生き様を描く、黒澤明の遺稿を映画化した人間ドラマ。監督は「日本の黒い夏 冤罪」の熊井啓。撮影を「日本の黒い夏~」の奥原一男が担当している。主演は、「田園のユーウツ」の清水美砂と「日本の黒い夏~」の遠野凪子。日活創立90周年記念作品。
映画館で観る
配信で観る
TVで観る
ユーザーレビュー
「海は見ていた」のストーリー
江戸・深川の岡場所にある”葦の家“の若い娼婦・お新は、女将さんや姐御肌の菊乃らから「客に惚れてはいけない」と遊女の哀しい掟を教えられていたものの、刃傷沙汰を起こし勘当された身でありながら彼女の元に通い詰める房之助に想いを寄せるようになっていた。だがある日、勘当を解かれた報告にやって来た房之助は、別の女性との婚礼をお新に告げる。実は、彼はただ勘当の身の辛さを忘れる為だけにお新の元に通っていただけなのだった。絶望の日々の中、お新の前に謎めいたひとりの青年・良介が現れる。良介の不幸な生い立ちを知り、自暴自棄になっていた彼を励ますうち、再び客である良介に惹かれてしまうお新。そんな夏のある日、深川を嵐が見舞う。激しい雷雨、川の氾濫、高潮……逃げそびれた菊乃とお新は屋根へと避難するが、そこへ一度は火事場泥棒にやって来た菊乃のヒモ・銀次を殺害しほとぼりが冷めるまで上方に逃げた筈の良介がふたりを助けに引き返して来た。しかし、壊れかけた舟の定員はふたり。迷わず残ることを決めた菊乃は、ふたりを見送ると満天の星空をひとり見上げるのだった……。
「海は見ていた」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
---|
キャスト | 役名 |
---|

「海は見ていた」のスペック
基本情報 | |
---|---|
ジャンル | ドラマ |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2002 |
公開年月日 | 2002年7月27日 |
上映時間 | 119分 |
製作会社 | 「海は見ていた」製作委員会(日活=ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント=テレビ東京=インタービジョン=サミー=マル=ソニーPCL=ソニー・シネマチック=エー・アイ・アイ=日本ロードサービス)(製作協力 黒澤プロダクション/企画協力 C.A.L/制作協力 日活撮影所) |
配給 | ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント=日活 |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | アメリカンビスタ(1:1.85) |
カラー/サイズ | カラー/ビスタ |
音量 | ドルビーSRD |
関連するキネマ旬報の記事
関連記事一覧 | |
---|---|
2001年10月下旬号 | 「海は見ていた」撮影現場ルポ |
2002年4月下旬号 | 「海は見ていた」ルポ 第1回 |
2002年5月上旬号 | 「海は見ていた」ルポ 第2回 |
2002年5月下旬特別号 | 「海は見ていた」ルポ 最終回 |
2002年6月上旬号 |
巻頭特集 「海は見ていた」 対談:熊井啓監督×木村威夫 巻頭特集 「海は見ていた」 遠野凪子 インタビュー 巻頭特集 「海は見ていた」 永瀬正敏 インタビュー 巻頭特集 「海は見ていた」 吉岡秀隆 インタビュー 巻頭特集 「海は見ていた」 作品評 巻頭特集 「海は見ていた」 黒澤明未映画化脚本リスト |
2002年8月下旬号 | 劇場公開映画批評 「海は見ていた」 |
2003年2月上旬号 | DVDコレクション 第48回 「海は見ていた」 |
2003年7月上旬号 | 日本映画紹介/外国映画紹介 海は見ていた |
2004年2月上旬号 | 評論家発映画論 〈自然〉の法則・・・黒澤明脚本「海は見ていた」を読む |