解説
1945年の宮崎のある農村を舞台に、ひとりの少年と村人たちの日々の営みから戦争の実態を浮き彫りにする人間ドラマ。監督は「スリ」の黒木和雄。黒木監督の実体験を基に、松田正隆と監督自身が共同で脚本を執筆。撮影を「月の砂漠」の田村正毅が担当している。主演は新人の柄本佑。第77回本誌日本映画ベスト・テン第1位、監督賞受賞、日本映画新人男優賞(柄本佑)受賞。日本映画ペンクラブ賞会員選出ベスト5日本映画第1位、日本映画ペンクラブ特別推薦、エキプ・ド・シネマ発足30周年記念第一弾、文部科学省選定、優秀映画鑑賞会推薦作品。
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ユーザーレビュー
「美しい夏キリシマ」のストーリー
1945年8月、霧島を望む宮崎のある農村。空襲で同級生を失ったショックから体調を崩し肺浸潤と診断された中学3年生の日高康夫は、満州に住む両親と別れ、厳格な祖父・重徳と優しい祖母・しげの下でぼんやりと自宅療養の日々を送っていた。そんな彼に、想いを寄せる従姉の世津子。だが、彼女の気持ちを察するほど、彼は大人ではない。村には中国大陸から引き揚げた兵士たちが駐屯し、本土決戦に備えて演習に余念がなかった。その中のひとり・豊島一等兵は、日高家の奉公人であるなつの小作人の母・イネと密会を重ねている。日高家のもうひとりの奉公人・はるが、重徳の強い勧めで戦地で片足を失い帰国した秀行と結婚することになった。はるの祝言に合わせ、嫁ぎ先の都城から里帰りした康夫の叔母・美也子は、出撃を控えた海軍少尉・浅井と秘かな想いを通わせていたが、彼を戦地へ送り出す日が来てしまう。ある日、空襲で見殺しにした友人の幼い妹・波に許しを乞いに行った康夫は、彼女に兄の仇を討ってくれるよう言われる。ところが、何を相手に戦えばいいか判らない彼は、ただ竹槍を携えて掘った穴に身を潜めるばかりだ。やがて、終戦が訪れた。信じていたものを失った重徳は一気に老け、イネはひとり息子の稔を連れて村を出て行った。そして、康夫は進駐して来たアメリカ軍に竹槍を振り回すも、彼らが威嚇発砲した銃の音に驚き倒れる。
「美しい夏キリシマ」のスタッフ・キャスト
スタッフ |
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キャスト | 役名 |
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「美しい夏キリシマ」のスペック
基本情報 | |
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ジャンル | 戦争 |
製作国 | 日本 |
製作年 | 2002 |
公開年月日 | 2003年12月6日 |
上映時間 | 118分 |
製作会社 | ランブルフィッシュ |
配給 | パンドラ |
レイティング | 一般映画 |
アスペクト比 | シネマ・スコープ(1:2.35) |
カラー/サイズ | カラー/シネスコ |
音量 | DTS |
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